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バックナンバー 螢光板
581号/2008. 3月号
 

 近頃どうして?と思うことが多くなった。そのひとつは大人が簡単に怒りを公的な場で爆発させるようになったことである。

 米国留学中にTVで見た阪神淡路大震災では政府の対応が遅かったにもかかわらず、日本では暴動が起こらず、避難所での整然とした行列が放映され、米国初め世界中から日本国民へ賞賛の声があがったことが遠い昔に思えてならない。

 研修医に聞くと病院の現場で「キレる」患者・家族に遭遇することがこんなに多かったことは想像していなかったという。ムカツクことは今も昔も同じように起きていたはずで、それを適切・適当に処理して簡単には怒りの爆発にさせないのが大人であり、少し前までは「キレる」のはもっぱら子どもであった。

 ところで「キレる」という言葉は、そもそも麻薬中毒者の間で意識が朦朧として途切れたことを言っていたらしい。しかし中学生が教諭を刺殺した事件(1998年)以来、「怒りで見境がなくなる感じ」として一般に広まったそうである(斉藤孝著「子どもたちはなぜキレるのか」)。そして最近では教育現場でモンスターペアレントと呼ばれる異常に「キレる」親が出てきたと報道されている。

 医療の現場でも同様なことが起こっている。医療者に向けての暴言、暴力沙汰の報道も記憶に新しい。それならば医学生にもこのような患者がいることを前提にした医療の姿を示し、どうしたら悪い状況を回避できるのか、またいずれ遭遇した場合の対処法をも伝授しておくべきなのだろうか。



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