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バックナンバー 螢光板
583号/2008. 5月号

 久し振りに新聞を読んだ。最近はインターネットで簡単にニュースを観られるのですっかり新聞から遠のいていた。なぜならインターネットは便利なのである。ニュースがすぐ見られる。また、他国と自国のニュースを比較すると重大ニュースが異なる事なども判る。しかし、久し振りに新聞を開くと一枚の紙面の中に様々な事が書かれていて、インタビュー、論壇、社説など、新聞を買った時点では興味もなかった内容がいやでも眼にとまり、読むとそれなりの発見があって中々面白かった。そして、こういう風な鑑賞法(とでも言おうか)はインターネットではあまり味わえないことに気付いた。

 インターネットでは興味があることを瞬時に引き出せるが、あふれる情報の中で、どうしても自分の嗜好にあった記事や解釈を無意識のうちに選択してしまっている気がする。加えて、そのスピードの速さと相手が見えない不透明さをもって、一方的な机上の空論の盛り上がりや個人攻撃の一手段など、そのマイナス点も気になる。更に、インターネット以前の世代―最も人生経験豊富な世代―を単なる方法論によって締め出してしまっている感もある。紙と鉛筆で勝負して何が悪い、と云いたいところである。

 その点、新聞は途中校正でカットされてしまう危惧はあるが、多様な筆者達が多様な読者達を意識することで、少なくとも、日々更新されてゆくネットの書き込みよりは良識と熟考が加わっているように思われる。如何だろう。但し、それが単なる自己PRや人を見下した自説の展開に留まったら同じ穴の狢だが。



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