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バックナンバー 螢光板
620号/2012. 1月号

 年末の買い物で、昔からある日本の習慣が若者に浸透していないことに気づかされた。例えば、年末に松飾をする習慣があるが、これは「一夜飾り」を嫌うので多くの場合12月28日までか12月30日に飾る(29日は避けることが多い)。当たり前だと思っていたら、大晦日の商店街で、「待っていると安くなるのよ」と嬉しそうに松飾を買っているカップルがいて驚いた。

 明けて1月7日は「七草がゆ」である。春の七草全てを暗記しろとは言わないが、「しちくさ」と読んでいるスーパーの店員を見て、それはやめてもらいたいと切実に思った。

 こんな世の中だから、先人の知恵を踏襲することなく、物が壊れると直ぐに買い換えるのだろうか?私が経営する診療所の、待合室にある長椅子の座面の一部が、昨年切れた。最初は簡単なワッペンで修理していたが、その内、傷が大きくなっていった。1脚が20万円以上する長椅子なので、2脚を買い換えることに躊躇した。幼いころ、毎年職人がきて家中の椅子の張替をしていたことを思い出してメーカーに相談してみた。某有名メーカーだが、「座面張替費用+引き取り費用+代替え椅子の費用」などで買い替えと同じくらいの見積もり金額だった。考え直して地元の職人を探したところ、年配の椅子職人が来て新品同様に椅子の張替をしてくれた。予め椅子に会うよう加工してきた座面を長椅子2脚に張り替えるのに2時間程度、費用は全部で5万円弱だった。こんな簡単なことで再利用できるものが沢山あるのに、どうしてメーカーは簡単に修理して使えるようにしないのだろうか?



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