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バックナンバー 螢光板
622号/2012. 4月号

 ちょっと隙間時間ができると、普段行かないところに行きたくなる。それが静かな喫茶店のこともあれば、行ったこともない街のこともある。携帯電話などの通信手段が発達している現在では、世界中どこに行っても仕事から逃れられるわけでないが、それでも学会という名目で行く地方都市のホテルの一室が、何とも言えず居心地がよくなったりする。自分が住んでいる町と違う風景やそこにいる人の仕草に、しばし心を休めるひとときである。

 そんな息抜きを求めて、たまたま読んだ雑誌に掲載されていた東京都下の吉祥寺に行ってみた。近隣に大学がいくつもあって、学生の街である。一方で、小説や漫画、歌などにも取り上げられ、以前には駅近くに伊勢丹や三越があったハイソな街でもある…というのが私の認識だった。実際に行ってみると、予想に反していろいろなものがあった。まず、駅から徒歩15分程度のところには、井の頭公園がある。広い敷地内で運動する人、お弁当を広げる人、散歩をする人など様々だ。駅近くには、飲食店や商店が立ち並ぶ。横道に入るとブティック街になっていて、自由ヶ丘の一等地を思わせる様相だ。その脇に銭湯があるのが面白い。看板を見ると入浴料450円となっていて、全く普通の銭湯だ。近隣に居酒屋があって、夕刻になると呼び込みが外に出て若い人に声をかけていた。ブティックは、母娘で買い物に来て、娘用と母用を同じ店で購入できるくらい品揃えが豊富だった。「住みやすそうな街だな…」 と思いつつ帰途についた。たまに知らない街に行くのも楽しい…と思った。



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