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668号/2016.11月号

放射能ホットスポットとは、放射線量が局所的に高い地域のことで、汚染源と離れているにもかかわらず、汚染周辺地域と比べて放射線量が高い地域が点状や帯状に出現する。福島原発事故の負の遺産である。放射能ホットスポットの存在が首都圏で再び話題となっている。特に、千葉県の一部の沼や住宅街、東京の一部の地域で、福島県よりも高濃度のセシウムが観測されている。小児甲状腺癌発症の原因となる放射性ヨウ素(131Ⅰ)の半減期は、8日間と短いが、セシウムは、134Csと137Csの2つが存在し半減期もそれぞれ2・1年、30・2年と極めて長いので沼や川、湖などに堆積し植物や小生物が汚染されると食物連鎖に入り込み汚染された魚や家畜、作物を食した人間も汚染される可能性が指摘されている。

福島とチェルノブイリの大きな違いは、福島では、二次汚染を防止するために地域が隔離され汚染地域での作物の生産の規制が冷静に行われたのに対し、チェルノブイリでは、内陸で隔離がうまくいかなっただけでなく、事故地域の貧困も存在し継続して汚染された牛乳、卵、農作物が食されたために、事故後10年に渡って小児甲状腺癌や白血病の発症が増加し続けたと推定されている。また、ウクライナは内陸で魚介類を食さないため、典型的なヨウ素欠乏地域であり甲状腺内に容易に放射性ヨウ素131Ⅰが取り込まれたことも、小児甲状腺癌が多く発症した要因と推測される。

首都圏の放射能ホットスポットについても、感傷的になるのでなく注意深い観察と冷静な判断が必要であると考えられる。



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