バックナンバー 螢光板
672号/2017.4月号

健康に興味をもたない人はいない。このためかテレビや新聞の紙面で、健康の維持に効果があるとされる食品(健康食品)が大々的に宣伝されている。いわゆる健康食品には色々あるが、消費者庁から効果ありとのお墨付きがあるのは特定保健用食品(トクホ)だけである。ところがこの食品について、「トクホの大嘘」という週刊誌の見出しが目に入った。大嘘というのは効果が認められない、または健康に悪影響を与えることもあるということのようだ。これまで健康に効果があるといわれていたものを危ない、使うなというかのような記事を読めば、どうしたらよいか迷ってしまう。

昨年「やってはいけない手術・飲んではいけない薬」という扇情的なタイトルが週刊誌に踊った。そして患者さんから事の真偽をたびたび尋ねられたことを思い出した。この時には、薬に効果があれば必ず副作用もあることを説明して納得してもらった。しかし今回のトクホの場合にはどのように説明して良いのか悩んでしまう。私たちは患者さんの健康への疑問を「科学的根拠」の基づいた説明をし、納得してもらわなければならない。例えば血糖降下薬を服用している患者さんが、難消化性デキストリンのような血糖の低下を売りにしたトクホを飲むとどうなるかなどは容易に理解できる。

現在トクホだけでも一千種類以上、いわゆる健康食品となるとどれだけあるか判らない。これらが健康にどのように影響し、我々が処方する医薬品とどのような相互作用をするか、もう一度じっくり勉強しなければならないと思う今日この頃である。



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