同窓新聞
第583号(2008年5月号)
2008.07.29
螢光板
久し振りに新聞を読んだ。最近はインターネットで簡単にニュースを観られるのですっかり新聞から遠のいていた。なぜならインターネットは便利なのである。ニュースがすぐ見られる。また、他国と自国のニュースを比較すると重大ニュースが異なる事なども判る。しかし、久し振りに新聞を開くと一枚の紙面の中に様々な事が書かれていて、インタビュー、論壇、社説など、新聞を買った時点では興味もなかった内容がいやでも眼にとまり、読むとそれなりの発見があって中々面白かった。そして、こういう風な鑑賞法(とでも言おうか)はインターネットではあまり味わえないことに気付いた。
インターネットでは興味があることを瞬時に引き出せるが、あふれる情報の中で、どうしても自分の嗜好にあった記事や解釈を無意識のうちに選択してしまっている気がする。加えて、そのスピードの速さと相手が見えない不透明さをもって、一方的な机上の空論の盛り上がりや個人攻撃の一手段など、そのマイナス点も気になる。更に、インターネット以前の世代―最も人生経験豊富な世代―を単なる方法論によって締め出してしまっている感もある。紙と鉛筆で勝負して何が悪い、と云いたいところである。
その点、新聞は途中校正でカットされてしまう危惧はあるが、多様な筆者達が多様な読者達を意識することで、少なくとも、日々更新されてゆくネットの書き込みよりは良識と熟考が加わっているように思われる。如何だろう。但し、それが単なる自己PRや人を見下した自説の展開に留まったら同じ穴の狢だが。
目次
1面
- 5月定例理事会
- 日大医学部同窓会・九州同窓交流会のお知らせ
- 螢光板 インターネットニュースと新聞
2面
- 論壇 医療の現実と本質
- 大島研三先生を偲んで 松本紘一
- 故岸本 孝教授を偲んで 岡田清己
- 永島正紀先生を偲ぶ 内山隆久
3面
- 佐藤裕一先生教授就任にあたって 塩野元美
- 小山信一郎先生教授就任にあたって 蜂須賀久喜
- シリーズ医療と訴訟(3) 押田茂實
4面
- 第102回医師国家試験結果 森山光彦
- 第3回日大医学会有賀賞と選考経過 根岸七雄
5面
- 医学部長室から 片山容一
- 医師は誰に何を説明すべきか(9) 鈴木喜六
- 知っていますか?医学部史料室(91) :十返舎一九 宮川美知子(59回生)
- 愚者の師弟感 奈良田光男
6面
- 赤備えと男性ホルモン 早川 智
- Around the World〜この時、世界は〜(2008年4月)
- 続・救急外科病院の悩み 菊池一男
7面
- 第3回多摩杏桜会学術医会開催 岡野匡雄
- 若い人たちにお薦めする3冊の本 大道 久
8面
- 解剖学教室同窓会開催
- 遥かなる「日大医科」 田村豊幸
- 60周年記念文庫「すぐに役立つ消化器・一般外科のテクニック」(大井田尚継、天野定雄) 西成田 進
- 同窓会だより 埼玉県支部新年総会
9面
- 同窓会だより 豊島区支部、桑蓬会同窓会、四桜会、世田谷支部同窓会・総会・新年会
10面
- 同窓会だより 蹈仁会、翠樹会同窓会