同窓新聞
第584号(2008年6月号)
2008.09.24
螢光板
保険改変、 病院機能評価、 医療訴訟、 医師確保と病院開設者の頭痛の種は増える一方だ。
思えば医者は経営学など学ばぬまま診療や研究に慌しく過ごすうち、否応なしに病院運営の責を負うことになる
経営絡みの会議や書類書きは実に苦痛で当直で徹夜するほうがましな位だが、病院を経営コンサルタントに持っていかれるのも癪である
どうして医師はおしなべて運営管理が性に合わないのか、実業家の友人曰く「当たり前だ、そもそもそういうことが嫌だから医学部に入ったんじゃないか」
理系で効率よく稼ぎたい人なら、医学部を蹴って理工学部で金融工学を専攻し、商社に入って会社もちで留学しMBAをとり、数社を渡り歩き実績を上げ、 ヘッドハントで大企業のCEOになれば退職金数十億円で引退するのも夢ではない
夜中でも病院にかけつけ、家族に愛想をつかされても休みもとれず、給与明細も気に留めない多くの医師は、損得度外視で何よりも患者を最優先する志があればこそこの道にいる
ただ、一致団結し既得権益を守るのも報道機関を操るのも下手で、道路に税金をもっていかれ診療報酬減額を許し、それでも医者を増やせといえないとなると人の善いのを通り越して、いくら何でもつけこまれ過ぎではないか
さりとて診療に忙殺される医師はロビー活動をする暇もない上、何かにつけて仲間割れしがちである
せめて日本の医師が他の先進国より遥かに悪条件でよくやっていること位は吹聴してもばちはあたるまい。「私は可哀想なくらい苦労している」といった首相のように。
目次
1面
- 関連病院・同窓会学術集団会開催 高野靖悟
- 板橋病院に新たな計画浮上-東武鉄道と共同で検討始まる-
- 螢光板 私たちは可哀想なくらい苦労している
- 日本大学次期総長に酒井健夫生物資源科学部長
2面
- 論壇 後期高齢者医療制度についてー長寿国家の対価ー
- 医学部主催「日大医療系同窓・学術校友会講演会」開催案内
- 医学部創設80周年記念事業の報告 片山容一
3面
- 6月定例理事会
- 学芸 宇宙医学紹介 岩崎賢一
4面
- 押田茂實教授退職記念パーティ開かれる 内ケ崎西作
- 森岡貞雄先生の御逝去を悼む 落合豊子
- 森岡貞雄先生を偲ぶ 鈴木啓之
- 定年退職を迎えて 根岸七雄
5面
- 知っていますか?医学部史料室(92):ペスト 宮川美知子(59回生)
- 最高峰の医学雑誌からのreviewerを引き受けて 瀬在 明
6面
- 同窓会長室から(12) 櫻井 勇
- シリーズ医療と訴訟(4) 押田茂實
- 心に残っている患者さん 加藤達郎
- 日本内分泌学会での研究奨励賞受賞について 中山智祥
7面
- Around the World〜この時、世界は〜(2008年05月)
- 寄付講座紹介(1)-内科学系統合和漢医薬学分野- 矢久保修嗣
- 無作為化比較試験のすすめ 高山忠利
- 出身大学別日本医師会代議員また本学が一位 白濱盛久
- 税を考える(4)-医師に対する税務調査- 松田利明
8面
- シミュレーション 中川滋木
- 若い人たちにお薦めする3冊の本 小船善弘
- 翠心祭出品作品(水彩-余吾の湖-) 鈴木佑典
9面
- 一念一念重ねて一生なり 竹内東太郎
- 平成19年第一外科同窓会忘年会開催さる
- 同窓会だより 大田支部会
10面
- 西多摩支部総会
- 桜刀会