同窓新聞

第587号(2008年10月号)

2008.12.25

螢光板

二代続けて総理大臣が政権を投げ出してしまった。内乱の続く国ならばともかく、先進国でこのような希有の経験をできた日本国民は幸せである。安倍氏はサミット後に某国首脳から「日本の首相は次々に代わる。まさかあなたもすぐに辞めるのではないでしょうね」と言われたのに、その「まさか」にしてしまった。福田氏は辞任表明後であったが、事故米の対処を記者に尋ねられ「あなただったらどうする?どうしたらいいと思う?」と逆切れしていた。続いて、その責任を問われ「そんなことまで総理が?総理も大変だねえ」と人を食ったような返事。ずいぶんのんきなものである。辞任は宜成るかな。

ブッシュ米国大統領は長引くイラク問題などの批判に耐えながらも任期8年を全うしつつある。米国大統領に辞任の制度がないかといえばそうでもない。ニクソン大統領はウォーターゲート事件により任期途中で辞任している。日本と同じ議会制民主主義のイギリスではサッチャー氏が11年、ブレア氏が10年宰相を務めた。かたや日本の戦後の総理大臣は福田氏まで29人、その平均在任期間は約2年2か月。こんなに頻繁に首相や閣僚が代わるようでは諸外国から信頼してもらえまい。

さて、近々に行われるであろう総選挙で日本は変わりうるのか。諸外国から信頼される政権になれるのか。医療界にとって、そして日本国民にとって次の政権を誰に託したらよいのか。試験の山掛けと考えれば気楽だがそうもいかない。今後も日本人は貴重な経験をできる幸せな国民でいられるのだろうか。

目次

1面

  • 第7回日本大学医療系同窓・校友学術講演会開催
  • 10月定例理事会
  • 螢光板 投げ出し内閣の歴史

2面

  • 論壇 本学の明日に向かって
  • 医学部長室から(13) 片山容一
  • シリーズ医療と訴訟「診療記録と医療訴訟」 押田茂實
  • 貧者の氾濫 中川滋木

3面

  • 学芸 心脳蘇生への先進的挑戦(2) 長尾 健
  • 知っていますか?医学部史料室(95):ヨンケル 宮川美知子(59回生)
  • 自殺防止 田村豊幸

4面

  • 日本大学医学部九州同窓交流会報告
  • 唐津めぐり 岡野匡雄
  • 唐津での同窓交流会に参加して 宮川美知子
  • 若い人たちにお薦めする3冊の本 石川紘一

5面

  • 寄付講座紹介「神経制御工学分野」 加納利和
  • Around the World〜この時、世界は〜(2008年9月)
  • 先端医学系臨床試験管理分野公開講演会開催
  • 恵仁会通信90号 高橋 政
  • 桜刀会の思い出 遠藤文雄

6面

  • 同窓会だより 文京支部総会、板橋支部総会、三十九会、岐阜県支部総会

7面

  • 同窓会だより 禄重会同窓会、旧第一外科同窓会、山形県支部総会

8面

  • 同窓会だより 珊瑚会、獅子会