同窓新聞
第590号(2009年1月号)
2009.04.17
螢光板
マスコミも昨年あたりから医師不足を喧伝し、医師の増員が国民的合意であるかのような雰囲気になってきた。これを受けて、今年から母校の募集定員も10名増員されることになるという。果たしてこれで「医師不足」という事態が解消されることになるのだろうか。
少なくとも、この策が短期的に有効でないことは明白である。なぜなら大学入学者数を増やしても一人前の医師になるまでに10年以上かかり、その間増員効果は認められないからである。これまでに医学部の定員が増やされたり減らされたり、その場しのぎに終始した感があると思うのは筆者だけだろうか。これには国が確実な需給予測を持っていたのか、また今後の予測を持っているのかとさえ疑いたくなる。
ところで、医師が不足しているのは現在である。もっとも本当に医師総体の数が不足しているのかについては、様々な議論があり定かではない。間違いなく言えることは、特定の科を担当する医師が不足しているという点である。
このことは本学内でも見られ、入局者不足から通常の診療にも支障の出る科があるやに聞く。おそらく全国の医科大学において同様の現象が起きていると考えて間違いなく、この問題は一医科大学によって解決できるものでもない。国が政策的に手を打たなければ解決できない。しかし、我々は国が何かをするまで手を拱いて見ていることになるのだろうか。日本大学医学部や如何に。総合的な研修制度の充実、専修医を含めて各診療科の定員を定めて医師の数を誘導する、などは直ちに実行できるような気がするのだが。
目次
1面
- 平成21年日本大学医学同窓会新年交歓会開催
- 我が学生時代 中村 修(46回生)
- 螢光板 医学部の定員増で医師不足は解消されるか?
- 同窓会総会告示
2面
- 1月定例理事会
- 顔 高橋昌里教授(小児科学)、中山智祥教授(臨床検査医学)
- 佐藤信義先生を偲んで
3面
- 寄付講座紹介(4) 脳神経外科系・光量子脳工学分野
- 知っていますか?医学部史料室(97):数学者の王ガウス 宮川美知子(59回生)
- 医学部長室から(14) 片山容一
- 増田先生おめでとう 中川滋木
4面
- 医学部新執行部就任挨拶 医学部次長 大道 久、学務担当 水谷智彦、学生担当 國分眞一朗、研究担当 山本樹生、企画・広報担当 石川紘一、卒後教育担当 丹正勝久、板橋病院長 澤 充、駿河台病院長 小川節郎
5面
- 医学部新執行部就任挨拶 練馬光が丘病院長 高橋 滋
- 学芸 心脳蘇生への先進的挑戦(その3) 長尾 建
- 加納恒男先生を偲んで 深谷 親
6面
- Around the World〜この時、世界は〜(2008年12月)
- 心に残っている患者さん 富沢憲民、土橋一慶、西本 博、西成田 進
7面
- 落語に学ぶ雑学(1) 佐藤公望
- 江戸の循環型経済 星野和男
- 防衛庁が有事に発令する医師への業務従事令と日大医学部 田村豊幸
- 同窓会だより 蹈仁会、北多摩支部総会
8面
- 同窓会だより 荒川区支部総会、台東区支部総会、福島県支部総会、三四会