同窓新聞

第596号(2009年9月号)

2009.11.27

螢光板

若田光一宇宙飛行士が先日、日本人初の宇宙長期滞在(4か月半)を無事成功させた。国際宇宙ステーションに滞在しながら、日本初の有人宇宙施設である「きぼう」モジュールの最終組立てを行った。若田飛行士は、帰還直後の会見に自力で歩いて登場し、元気な姿をアピールした。これは長期滞在員としては珍しいことで、長期滞在後は、微小重力による様々な身体への影響で健康体であったはずの宇宙飛行士が立っていることも出来なくなることが多い。微小重力では、身体各器官への重力の負荷がなくなることで、長期臥床で現れるような抗重力筋の萎縮、心筋の萎縮、循環血液量の減少、骨密度の減少などが起こる。6週間の安静臥床で左室心筋量が8%減少するという報告がある。これらをある程度予防するため宇宙滞在中には運動を行う必要がある。現在、国際宇宙ステーションでは、準備等を含めて2時間半の運動のためのスケジュールを、ほぼ毎日確保することがNASAの基準で推奨されている。若田宇宙飛行士が異例にも帰還直後に元気に会見に臨めたのは、これまでの長期滞在員以上に毎日長時間の運動をしっかりと行ったからと推測されるが、このことは翻って、我々が毎日、意識せずにも重力に逆らって普通に活動していることが健康にとっていかに大事かということを示している。向井千秋宇宙飛行士は常々「重力の真の影響をみるためには、静かなところで聴力検査をするごとく、重力の無い宇宙で研究を行う必要性がある」と言っている。宇宙開発は重力の有り難みを再認識させてくれるようである。

目次

1面

  • 日本大学校友会館新築について 日本大学校友会本部事務局
  • 我が学生時代 神長 善(24回生)
  • 同窓会臨時総会告示 岡野匤雄(43回生)
  • 螢光板

2面

  • 論壇 迷走する医薬品業界
  • 9月定例理事会
  • 日本大学医学部同窓会設立80周年記念式典・祝賀会開催案内

3面

  • 顔 徳橋泰明教授 整形外科学系整形外科学分野 大島正史(69回生)、田近謙一教授 一般教育学系生物学分野 大竹伸一
  • 学芸 リツキサンによる小児ネフローゼ症候群の治療 高橋昌里(50回生)
  • 夏季医学講座を終了して 龍 順之助(42回生)

4面

  • 故有賀槐三(6回生)名誉教授のご功績を回顧して(3) 荒川泰行(40回生)
  • 有賀槐三先生のエピソード(1) 有賀 徹(25回生)
  • 提言 EBM(統計学的根拠)について 田中俊彦(19回生)
  • 学会開催担当者補助金規程
  • 平成21年度日本大学医学部同窓会名簿広告のお願い

5面

  • 知っていますか?医学部史料室(103) 宮川美知子(59回生)
  • 医学部長室から(16) 片山容一(47回生)
  • 税を考える(8)パート収入の税金・社会保険料について 公認会計士・税理士 松田理明
  • クラス名考 櫻咲会(平成21年卒・82回生の巻) 山室 俊

6面

  • Around the World〜この時、世界は〜(2009年7、8月)
  • 老衰に関する一考察 石塚英夫(42回生)
  • 落語に学ぶ雑学(3)食物編 題目:黄金餅 食材:餅 佐藤公望(48回生)
  • 櫻三會(28回生)の近況 勝呂 長
  • 上司が鍵 星野和男(44回生)
  • 若い人たちにお薦めする3冊の本 國分眞一朗

7面

  • 時代の変遷と規模 中川滋木(37回生)
  • 同窓会だより 栃木県支部 臼井杯ゴルフ大会 第70回記念大会、壮筍会(28年卒)-信州美術館めぐり-

8面

  • 同窓会だより つづき    讃和会(40年卒)開催 感謝、円満、好奇心がキーワード、桜刀会(34年卒)卒後50周年記念祝賀会、山梨県支部(峡水会)総会開催

9面

  • 同窓会だより つづき 渋谷区支部会の開催、脳神経外科開講40周年記念祝賀会・坪川孝志名誉教授を祝う会を挙行、蝦蟇会(47年卒)開催、快仁会(46年卒)ゴルフコンペ開催

10面

  • 同窓会だより つづき 第1外科同窓会定期総会、広島県支部総会開催