同窓新聞
第597号(2009年10月号)
2009.12.24
螢光板
最近の脳の研究で精神感情の仕組みが解りだした。
脳波の研究から、前頭葉の部位活動と感情の状態には密接な関係があり、左側の前頭葉の活動が優位な人は、元気、熱意、喜びなどのプラス感情を感じやすく、右側の優位な人は、心配、恐れ、悲しみなどのマイナス感情を抱きやすいということ。
左右の優位性は、子供から成人までは変化し、大人になるとその可塑性は失われる。この刺激は、大脳辺縁系と繋がっている。
さてEQ(Emotional Quality:情緒指数)は、IQ(Intelligent Quality:知能指数)と同等、それ以上の影響力を持ち、人生を聡明に生きるには重要であると言われる。考える知性と感じる知性のバランスを取る上で、感情を賢く操縦することが肝要という。
いわゆる五感(特殊感覚)で、入った感覚信号は怒り恐怖などの情動を司る大脳辺縁系の扁桃核に到達する。ここで、過去の嫌悪、憎悪、など自分の負の記憶と照会した後、即座に思考を司る大脳新皮質に送られる。扁桃核は大脳新皮質が情報を吟味認識するより早く反応するため、情動が理性を凌駕する現象が起こる。
EQは、その情動的、衝動的感情を大脳皮質を使って操縦する訓練ともいえる。EQは、現在5つの領域に分類されている。(1)自分自身の情動を知る。(2)感情を制御する。(3)自分を動機付ける。(4)他人の感情を認識する。(5)人間関係をうまく処理する。
21世紀は脳の時代と言われる。感情論、精神論、本態性と片づけていた心の問題も、生理学、器質的な概念となり人間を理解する必修の知識となりつつある。
目次
1面
- 10月定例理事会
- 我が学生時代 三上 淳(24回生)
- 同窓会臨時総会告示 岡野匤雄(43回生)
- 螢光板
2面
- 論壇 経験したこと、しないこと
- 平成21年度 同窓交流会開催 吉澤明孝(58回生)
- 馬場一雄教授のこと 井村総一(39回生)
- 日本大学医学部同窓会設立80周年記念式典・祝賀会開催案内
3面
- 有賀槐三先生を偲ぶ会開催される 吉澤明孝(58回生)
- 故有賀槐三(6回生)名誉教授のご功績を回顧して(4) 荒川泰行(40回生)
- 有賀槐三先生のエピソード(2) 有賀 徹(25回生)
- アウトブレイク 市川正之(47回生)
- 「完全連続自動化遺伝子分析装置」好評 岡野匤雄(43回生)
- 山藤 勇先生米国耳科学会から表彰 岡野匤雄(43回生)
- 平成21年度 日本大学医学部同窓会名簿広告のお願い
4面
- 同窓会長室から(18) 岡野匤雄(43回生)
- 岡田知雄准教授(49回生)が、日本脂質栄養学会のランズ学術賞を受賞 原 光彦(59回生)
- 知っていますか?医学部史料室(104) 宮川美知子(59回生)
- どこまでできる?在宅緩和ケア 岡野匤雄(43回生)
5面
- 医事新報のリハビリ音頭補足について 松岡豊治(21回生)
- Around the World〜この時、世界は〜(2009年9月)
- 同窓会だより 山岳部総会開催-徳沢診療所に電気が入る
- Q&Aコーナー 新型インフルエンザについて
6面
- 同窓会だより つづき 銀麗会(49年卒)卒業35周年記念クラス会、秋田県支部 平成21年度総会
- テレフォンサービス 担当医師がお答えします 日本大学医学部附属板橋病院
7面
- 同窓会だより つづき 新潟県支部総会、第14回 文京支部総会開催、平成21年度 岐阜県支部総会
8面
- 同窓会だより つづき 平成21年度 日大三高会(三高会)、柔道部OB会開催!+高橋昌里教授就任祝い!、岡山県支部総会開催