同窓新聞
第605号(2010年7月号)
2010.10.27
螢光板
最近巷では、「キャスター付きラゲージ」が目につく。これも、生活様式が西欧化(グローバル化)した結果であろう。旅行に便利なので以前から筆者も愛用している。
我が国の住生活では玄関で履物を脱ぐ。ところが件のラゲージは、履物同様道路の上を通りながら、キャスターを脱がずに室内に入ってくる。おそらく、玄関で履物を脱ぐ習慣は、地球上でも限られた地域のものだ。したがって、外国人の多くは、はじめ奇妙に感じただろう。だからといって、土足で室内に入ろうなどと考えた日本人はおらず、今でも玄関で履物を脱いでいる。そこで、我が家では旅行から帰ると、キャスター部分を入念に洗浄することになる。
このように、日本には独特の文化と習慣がある。もちろん医療の世界でも然りである。例えば、なぜ脳死移植が増えないのかを考えてみれば明らかであろう。西洋人とは生死感が違うわけで、二つの命から一つを生かすという発想は日本人には馴染まない。さらに、我が国には世界に冠たる「医療保険制度」が存在し、国民は長年にわたりその恩恵を受けてきた。在院日数の短縮は外国で徹底されている。これは医療費の削減に繋がるものだが、医療を民間の保険に委ねてきたことの帰結である。医療崩壊の危機が叫ばれ、待ったなしの改革が必要である。
しかし、いつかの政権のように「グローバル化」とか「経費削減」を強調すると、崩壊がさらに深刻化するのではないかと危惧する。待ったなしだからといって、対症療法を施すと取り返しがつかなくなる。腰の据わった議論をして欲しい。
目次
1面
- 同窓会及び医学部役員との合同懇親会盛大に開催される
- 我が学生時代 渡邊義男(24回生)
- 同窓会臨時総会告示
- 日本大学医学部同窓会・同窓交流会 参加募集のおしらせ(第2報)
- 螢光板
2面
- 論壇 医師に求められることは?
- 7月定例理事会
- 日本大学 桜門会館 竣工! 岡野匡雄(43回生)
3面
- 学芸 単純ヘルペス脳炎の救急診療 亀井 聡(53回生)
- 高田 實先生(46回生)近畿大学医学部堺病院がん化学療法科教授に就任 高田昌亮(46回生)
- 清 佳浩先生(49回生)帝京大学医学部附属溝口病院皮膚科教授に就任 齋藤 勉(49回生)
- 片山教授の論文が被引用回数で本邦1位(脳神経外科)に 平山晃康(54回生)
4面
- 医学部長室から(20) 片山容一(47回生)
- 知っていますか?医学部史料室(112) 宮川美知子(59回生)
- 病態病理学系微生物学分野 早川 智教授 前橋市医師会立高等看護学院にて特別講演 野村洋二(42回生)
- 平成22年度 同窓会60周年記念医学奨励基金奨学生決定、同窓会推薦講演決定、同窓会学術奨励賞決定
5面
- Around the World〜この時、世界は〜(2010年6月)
- 旧い思い出 伊藤壽夫(23回生)
- プライバシー遵守と患者救命との戦い 田村豊幸(20回生)
- 同窓会だより 第3回 日本大学関西勤務医師会
6面
- 同窓会だよりつづき 平成22年度 高知県支部総会開催、平成22年度 壮筍会 (28年卒)、第16回 本庄市児玉郡日大会、快仁会(46年卒)ゴルフコンペ
7面
-
同窓会だより つづき 第14回 白涛会(48年卒)総会、平成22年度 山梨県支部(峡水会)総会開催
8面
- 同窓会だより つづき 第5回 多摩杏桜会学術医会、平成22年度 日大医学部日大三高会(三高会)