同窓新聞
第613号(2011年5月号)
2011.07.27
螢光板
先日、ダンボールに入れたまま放置していた本を整理した。中から1枚、ウサギの写真が出てきた。大学生の頃、家で飼っていた小型ウサギである。実験用ではない。家で小動物を飼うのは久しぶりで、この時は母親の抵抗を受けた。当然である。動物の世話というと結局、彼女が引き受けることになるのだから。灰色をしたこのウサギの時は最終的に、非常食と毛皮の付帯価値あり、ということで許可を得た。それで母親が納得した訳ではない。お互い暗黙の了解である。その数年後「この子も、歳をとって肉も硬かろうし、毛皮にするにはお尻のところの色がダメねえ。」という皮肉をおひとつ頂戴し、ウサギはとうとう正式に家族の一員と認められた。
このウサギを飼うずうっと前、幼稚園にあがる前のことだった。兄は大好きな猫を飼いたいのだが、それを父親がガンとして受け付けない。そんなある日、私は小児科の先生の所に予防注射を受けに連れて行かれた。注射では何時も泣いていたのに、その日初めて、泣かなかった。すると、その先生が「ご褒美をあげるからお外で待っていなさい。」という。その先生は両親よりずっと年長で、父も大変尊敬していた。なんと、その彼女が抱えてきたのは白地に黒の斑がある子猫だったのである。猫好きの先生だった。今では考えられないが、その子猫をデパートの紙袋に入れて母と2人、家まで続く50m位の小道をうきうきしながら帰ったと記憶する。兄の喜びは当然だが、不思議なことに、この猫は父の反対を受けることもなく、その日から家の飼い猫ミーちゃんとなった。
目次
1面
- 本学の東日本大震災被災地への医療支援 木下浩作(60回生)
- 我が学生時代 菊池恭三(26回生)
- 「同窓生災害支援募金」のお願い 岡野匡雄(43回生)
- 螢光板
2面
- 論壇 東日本大震災から2か月
- 5月定例理事会
- 日本大学医学部同窓会・同窓交流会 参加募集のおしらせ 野沢健一(51回生)
- 醫の散歩路第3巻発行!!
3面
- 顔 浅井 聰教授 生体機能医学系薬理学分野 原 弘之、吉野篤緒(59回生)
- 学芸 乳癌の内因性サブタイプ 増田しのぶ(病態病理学系病理学分野教授)
- 三ッ林裕巳先生(55回生)日本歯科大学生命歯学部内科学講座教授に就任 渡辺昌司(56回生)
- 心に残っている患者さん 中川修盛(26回生)
- 会費納入率
4面
- 追悼 森 茂先生と二人の恩師 勝呂 長(28回生)
- 森 茂先生を偲んで 小松 仁(50回生)
- 落語に学ぶ雑学(10) 佐藤公望(48回生)
- 平成23年度 夏季医学講座開催のお知らせ
5面
- 同窓会長室から(25) 岡野匡雄(43回生)
- 知っていますか?医学部史料室(120) 宮川美知子(59回生)
- 税を考える(13)どうなる平成23年の税制 公認会計士 税理士 松田理明
- 平成23年度定時総会「書面表決」結果報告 吉澤明孝(58回生)
6面
- Around the World〜この時、世界は〜(2011年4月)
- 日本大学醫學部學友會雑誌紹介(その2) 西成田 進(46回生)
- 迫力充分だった岡課長 中川滋木(37回生)
- アンサング・ヒーロー(unsung hero)第4回 野口幸啓(53回生)
- 同窓会60周年記念医学奨励基金研究助成金受領候補者募集
7面
- 寄稿 岡 哲秀(47回生)
- テレフォンサービス 担当医師が、お答えいたします 日本大学医学部附属板橋病院
8面
- 肝癌の国際臨床研究で世界第1位に! 梶原崇弘(73回生)
- 同窓会だより 珊瑚会(昭和37年卒)有志、平成22年度 旧第1外科同窓会忘年会
9面
- 同窓会だより つづき 平成22年度 第49回 三四会(昭36年卒)総会、埼玉県支部新年総会
- 駿河台日本大学病院一般外来診療担当医表
10面
- 同窓会だより つづき 栃木県支部総会、平成22年度 板橋支部総会開催、第23回 日本大学医学部第3外科同門会総会