同窓新聞

第617号(2011年10月号)

2011.12.26

螢光板

組織におけるトップの役割と責任を考えてみた。仲間の教員によれば、トップは「判断」をするのではなく、「決断」をすべきだと言う。では「判断」と「決断」の違いを辞書で調べると、「決断」は下された結論に、強い意志の働く場合に使うとある。右か左、良いか悪いか、やるかやらないかは、その人の価値観によるだろう。しかしながら、トップが方針を明確に示さないと信用を失い、その組織は停滞または崩壊する。

東日本大震災のニュースによると、福島県ではJR常磐線の電車が津波に巻き込まれたが、2人の若い巡査が的確な「判断」をし、およそ1キロ先の新地町役場に避難して、全ての乗客の命を救ったという。これなどは、「判断」より「決断」と言うべきだろう。

これに対して、外国からは回転ドアと称される日本の首相達は、自ら判断すらできないようだ。また判断しても、後で撤回するなど、何をしたいのか理解に苦しむ。さて日本大学に目を向けると、この秋に新総長が誕生し、医学部においても医学部長が再選されたので、組織トップに期待する声は大きい。

現在本部は、医学部の財政危機を理由に光が丘病院を廃止し、駿河台に新規に病院を建設しようとしている。しかしながら、医学部の将来像は全く見えず、また、誰が決めるのかも分からないため、医学部の教職員は大きな不安を抱えている。これから日大本部および医学部の新執行部に期待することは、長期ビジョンを明確に示し、強い意志が働く「決断」である。将来の不安を抱えていては、やる気は失せ仕事もはかどらない。

目次

1面

  • 第10回 日本大学医療系同窓・校友学術講演会に出席して 武 豪(48回生)
  • 我が学生時代 鈴木佑典(26回生)
  • 片山医学部長再選!!
  • 新年交歓会開催のご案内
  • 螢光板

2面

  • 論壇 リーダーシップ
  • 10月定例理事会
  • お茶の水キャンパスの新病院 宮川美知子(59回生)

3面

  • 2回目の北海道・札幌での同窓交流会(野沢健一支部長)! 岡野匡雄(43回生)
  • 同窓交流会に参加して 宮川美知子(59回生)
  • 馬越文男君(32回生)の思い出 西尾 崇(32回生)
  • メールアドレス変更のお知らせ

4面

  • 同窓会長室から(27) 岡野匡雄(43回生)
  • 知っていますか?医学部史料室(124) 宮川美知子(59回生)
  • 小野真一先生(58回生)日本大学薬学部教授に就任 鈴木 孝(57回生)
  • なんとかならないか(II)-医療の原点から- 奈良田光男(30回生)
  • 若い人たちにお薦めする3冊の本 高橋昌里(50回生)

5面

  • Around the World〜この時、世界は〜(2011年9月)
  • 進歩する心肺蘇生法-ABCからCABへ- 守谷 俊(61回生)
  • 60周年記念文庫(78)あなたの未来を拓く通信制大学院 宮本 晃(43回生)著 西成田 進(46回生)
  • テレフォンサービス 担当医師が、お答えいたします 日本大学医学部附属板橋病院

6面

  • 日中共同研究 小沢プロジェクト2011 中川滋木(37回生)
  • キャンパスにみるアングル
  • 同窓会だより 第16回 文京支部総会開催、広島県支部総会開催