同窓新聞

第623号(2012年5月号)

2012.07.25

螢光板

家の近くの大通り、その交差点近くにあったM書店がとうとうコンビニに変貌した。子供の頃、その本屋の入口から一直線に伸びる通路の奥にはおじさんが鎮座し、各通路の左右にある本棚は天井に届く程に思われた。漫画の単行本を本棚から取って読んでいると、そのうち本棚にハタキをパタパタかけながら奥からおじさんがやって来る。夢中になって読んでいる頁の上からハタキをかけられ、見上げてみるとおじさんの怖い顔、という事もあった。その後、ビルになった建物の1階が書店になり、入口にはちょっと個性的な選定で文庫本が並んで、今月売り出しの雑誌が手書きの前垂れを付けて積み上げられていた。インターネットによる購入や大型店舗が増加する中では仕方がないが、とうとうこの店も無くなってしまった。

駿河台下の神保町にはまだ本屋街の風情が残っている。学生時代、お茶の水を訪れる度、坂下のこの界隈をうろつき古本などを手にとると、ちょっとインテリ風でいい気分だった。更に、街中の薄暗い喫茶店に入り買ったばかりの本を開くと、随分大人になった気がした。完全な自己満足である。飲食店が増え、高層マンションが建ち、街の風景が以前の学生時代と変わっていないといえば嘘になる。しかし今でもそこかしこで学生時代に嗅いだ本や珈琲(そして、安い洋食屋のコロッケやカレーとか)の匂いがする。忙しい毎日、インターネットで自分がほしい本を捜し求め購入するのも方法だが、たまに本屋街をそぞろ歩きをしながら、何かの本と出会う偶然を楽しむのも中々乙だろうな、と思う。

目次

1面

  • 5月定例理事会
  • 我が学生時代(正田秀雄28回)
  • 日本大学医学部同窓会・同窓交流会参加募集のお知らせ
  • 螢光板

2面

  • 論壇 日本の学会は日本語で
  • 平成24年度同窓会役員就任挨拶
  • 総務・渉外・募金担当副会長 鳥居孝昭(43回)
  • 企画・財務・福祉共済担当副会長 梶原 優(45回)
  • 広報・医療連携担当副会長 西成田 進(46回)
  • 学術・女性医師ネットワーク担当副会長 落合豊子(48回)

3面

  • 学内担当副会長 麦島秀雄(46回)
  • 総務担当理事 吉澤明孝(58回)
  • 学術担当理事 浅井 聰(59回)
  • 学芸 神経変性疾患のバイオマーカー 日本大学薬学部臨床医学研究室教授 小野真一(58回)
  • 案内 (1)同窓会学術奨励賞候補者、(2)同窓会推薦講演候補者の推薦

4面

  • 広報担当理事 加島陽二(55回)
  • 新聞担当理事 宮川美知子(59回)
  • 財務担当理事 増野 純(48回)
  • 医療連携担当理事 萩原照久(48回)
  • 福祉・共済担当理事 車谷 仁(50回)
  • 平成24年度夏季医学講座開催のお知らせ

5面

  • 税を考える(16)開業医の最近の税務調査から 松田理明 税理士・公認会計士
  • 医学部長室から(27) 片山容一(47回)
  • 旧第三内科松尾裕元教授が研究していた消化管ホルモンが30年を経て糖尿病の新薬インクレチンとして登場の驚き 林 洋一(41回)
  • 知っていますか?医学部史料室(130) 新聞担当理事 宮川美知子(59回生)
  • 支部長・卒業年次代表者会におけるビデオセッションの発表者推薦

6面

  • Around the World〜この時、世界は〜(2012年4月)
  • 母校大学人になってみて 前社会医学系公衆衛生学分野助手 近藤修司(75回)
  • 落語に学ぶ雑学(14)佐藤公房(48回)

7面

  • NHK連続ドラマの医事監修 山崎慎太郎(68回)
  • 賞味期限 岡本禄太郎(28回)
  • 日大医学部付属練馬光が丘病院撤退に関する一私見 マサチューセッツ総合病院・ハーバード大学医学部外科准教授 河合達郎(54回)
  • 同窓会だより
  • 江東区同門会「江桜会」塩入公保(61回)
  • 剣道部OB会教授就任祝賀会 斉藤 修(57回)
  • 埼玉県支部新年総会 長澤正樹(52回)