同窓新聞
第644号(2014年6月号)
2014.08.27
螢光板
ゴースト作曲家による作品を長年、自分(元歌手)の作品としてマスコミに発表し、社会を欺き通してきた事件があった。この元歌手はその曲を売り出すにあたって、自分が聾(極度の難聴)であることを「売り」にしていた。
マスコミの「売り」も作品の評価とは本質的に関係のない作曲家のハンディキャップとセットであった。このハンディキャップ自体も長年の演技であったらしい。長年の欺瞞に耐えられなくなった真の作曲家が自から名乗りを上げて真実を曝露し、一連のからくりが露呈した。今、マスコミや国民にこのようなテーマのとりあげ方に対する自己批判が飛び交っているが何となくそらぞらしい。
というのも状況設定を変えれば、このように作品や技量とは関係のない「弱者」や「不幸な生い立ち」などの「尾ひれ」をつけた「ノンフィクション」はマスコミにあふれているからである。お涙ちょうだいの生い立ちの演歌歌手、家庭が不幸であった甲子園高校球児、親の死を乗り越えたオリンピック選手など、「尾ひれ」はマスコミによる「売り」に張り付ける必需品である。
東日本大震災による被災をうたえばなにかヒューマニスティックな内容であるかのようなトークショーや特番もときに同様の問題を免れてはいない。自分の右手がやって自己批判している一方で、左手では相変わらず同じことをやっている無神経さ。マスコミって困った人たちの集まりとつくづく思う一方で、それを視聴するわれわれもまたもう少し賢くならないといけませんなぁ、と思う。
目次
1面
- 6月定例理事会
- 我が学生時代 菅野寛也(31回生)
- 平成26年春の叙勲者
- 螢光板
2面
- 論壇 電子カルテと良き臨床医
- 退任にあたって 元日本大学医学部附属板橋病院病院長・日本大学医学部救急医学系主任教授 丹正勝久(46回生)
- これからの日本の地域医療ビジョン 同窓会理事 安藤高朗(57回生)
- 同窓会費の改定について 日本大学医学部同窓会会長 岡野匡雄
- 日本大学医学部同窓会会長・監事改選に関する告示 日本大学医学部同窓会選挙管理委員会委員長 三宅 洋
3面
- 日本大学医学部同窓会代表評議員・評議員名簿(平成26年5月1日~平成29年4月30日)
- 同窓会長室から(37) 岡野匡雄(43回生)
- 若い人たちにお薦めする3冊の本 同窓会参与 小林槇雄(43回生)
4面
- Around the World〜この時、世界は〜(2014年5月)
- 追悼 石山英一先生(27回生)のこと 菊池恭三(26回生)
- 知っていますか?医学部史料室(151) 新聞担当理事 宮川美知子(59回生)
- NIH留学記 第7回「NIHの全貌とその特徴」 山崎 修(76回生)
- 同窓会60周年記念医学奨励基金研究助成金受領候補者募集
- 「日大医学雑誌」論文募集のお知らせ
5面
- 第13回日本大学医療系同窓・校友学術講演会のお知らせ
- 産婦人科医が触れる様々な「命の価値観」医療法人社団なずな会 池上レディースクリニック理事長 池上芳美(62回生)
- やさしい結核対策(12) 横浜市南区役所福祉保健センター 近藤修治(75回生)
- 日本大学医学部同窓会・同窓交流会 参加募集のお知らせ
6面
- なんとかならないか(VII)-学位の価値観- 至誠会こうじま慈愛病院 名誉院長 奈良田光男(30回生)
- 今、学生は…(18) バドミントン部主将 西山秀徳(医学部3年生)
- 同窓会だより
- 平成25年度栃木県支部総会開催報告 中川良英(61回生)
- 同窓の付属病院受診システム
- キャンパスにみるアングル-駿河台日本大学病院 第1回- 川田 望(56回生)
7面
- 同窓会だより
- 緑陰会(昭和63年卒)碓井 亘
- 四桜会 大塚仁樹(67回生)
- 桜刀会(昭和34年卒)橋本重夫(32回生)
- 日大医学同窓新聞投稿規定
8面
- 同窓会だより
- 平成25年度北海道支部総会開催 野澤健一(51回生)
- 鵬遊会クラス会(昭和61年卒)開催 宮川美知子(59回生)
- 秋田県支部長に高橋 晶氏(53回生)就任
- 学内・駿河台病院支部長に佐伯 茂氏(53回生)就任
- 図書館だより
- 翠心祭・若樹祭実行委員会からのお知らせ