同窓新聞
第650号(2015年1月号)
2015.03.25
螢光板
昔から「笑う門には福来たる」「一笑一若」などの諺があるが、これらは笑いが生活の中でとても大切なことを示している。
笑いと健康について報告されたのはここ十数年のことで、その先駆けとなったのは1970年代ノーマン・カズンズ氏の報告である。米国「サタデー・レビュー」誌の編集長であった彼は、1964年49歳の時に強直性脊椎炎に罹り、痛みのために歩行もできず、全快の可能性は500分の1と医師に宣告された。
従来の治療で痛みがとれなかった彼は、笑いを取り入れた治療を開始、お笑い番組やコメディのフィルムをみて大笑いする毎日を過ごした。笑いの効果はてきめんで、10分間腹を抱えて笑うと少なくとも2時間は痛みを感じずに眠れた。そして、1週間ほどで症状が改善し始め、半年で元の編集長に復帰してしまった。その経過をNew England Journal of Medicine誌に投稿。その後、笑いが痛みに有効ではないかという検討がなされ、我が国でも落語による笑いが関節リウマチ患者の痛みの軽減に有効であると報告されている。
また「笑顔であること」と健康にどんな関わりがあるかの笑顔研究では、19世紀のフランス人神経学者が発見した「ディシェンヌ・スマイル」と呼ばれる目尻にシワを作り、口角上げるという作り笑いでも脳が前向きな状態に変化して、心だけでなく健康に良く寿命も延びるという事実も発見されている。現代のこのストレス社会で「笑いに勝る薬なし」を実践して「笑う門には健康来たる」1年を過ごしたいと思う。
(「笑いと治癒力」ノーマン・カズンズ 2001年)
目次
1面
- 新年交歓会開催
- 我が学生時代 板垣和夫(49回生)
- 同窓会総会告示
- 日本大学医学部同窓会会長選挙結果報告
- 螢光板
2面
- 12月定例理事会
- 1月定例理事会
- 「日大医学雑誌」論文募集のお知らせ
3面
- 平成26年度同窓会医学奨励基金研究助成金受領者決定
- 船越洋平氏(77回生)
- 永嶋孝一氏(78回生)
- 石澤通康氏(日大生物資源科学部・平成18年卒)
- Around the World〜この時、世界は〜(2014年12月)
- 顔 大島猛史教授 耳鼻咽喉・頭頸部外科学分野
- 知っていますか?医学部史料室(157) 新聞担当理事 宮川美知子(59回生)
4面
- モンノム閉店 -海野書店の思い出- 新聞編集委員 勝呂 長(28回生)
- 日本大学医学部同窓会・同窓交流会(横浜)に参加して 田窪洋子(32回生)
- 心の故郷「モンノム」閉店 新聞担当理事 宮川美知子(59回)
- 落語に学ぶ雑学(24)身体編 題目:芝浜・行為:夢 佐藤公望(48回生)
- 若い人たちにお薦めする3冊の本 松本太郎 機能形態学系細胞再生・移植医学分野教授(60回生)
5面
- 山藤勇先生追悼式 丹羽秀夫(64回生)
- 同窓会長を退任するにあたり 岡野匡雄(43回生)
- 超高齢化社会における「死」と女性の役割 中川滋木(37回生)
- 同窓会だより
- 桜越会開催(川越市)
6面
- 讃和会(昭和40年卒)開催報告
- 卒後50周年記念蹈仁会(37回生)開催
- 長崎県支部長に七種啓行氏(44回生)就任