同窓新聞
第651号(2015年3月号)
2015.04.22
螢光板
子供に「どんな食べ物が好き?」と聞いたら「おかあさんが作った料理」という。泣かせる言葉である。一方、「結婚したし、節約の為にお弁当にしようかな。」という若者に「二人分作るの、偉いね。」とほめると「いえ、自分の分だけです。」という。これから大丈夫か。
同年代の友人が「もう、息子にお弁当作るの、止めた。」という。「何で?」と尋ねたら、「ある時から息子が弁当を残すようになり、その内、入れた覚えのないから揚げのカスを見つけた。」観察が、細かい。「子供はもう、学校で友達と買い食いする方が楽しいの。」とため息をつく。親にとって、子供の成長には喜びと寂しさが入り混じる。
寂しいといえば、「太りすぎだから。」と手作り弁当を渡され、ふたを開けて中身の寂しさにため息をつく、というのもある。ないしょで買った揚げ物を皿代わりのふたに乗せ、付いた油の痕跡を丹念に洗い落として弁当箱を持ち帰る。先の友人の話から察するに、これは決して証拠隠滅ではなく、作り主への敬意の証というべきか。
或る日、知り合いの先生が珍しくお弁当を持ってきた。「下の子が入学して弁当を持って行くので、ついでに作ってくれる事になった。」「卒業するまでの間だけど。」昔、上のお子さんだけ連れて地方に赴任した事があり、その間は家事もままならず、時々コンビニ弁当の中身を弁当箱に移しかえて持たせていたという。「子供も大変だったと思うけど、文句言われなかったなあ。」久しぶりのお弁当は美味しそうだった。色んな思いや思い出とともに、今年も春が訪れる。
目次
1面
- 平成26年度学位記伝達式
- 我が学生時代 早川 洋(32回生)
- 同窓会総会告示
- 螢光板
2面
- 論壇 行政処分を受けた医師の再出発
- 卒業を祝して 医学部同窓会会長 岡野匡雄(43回生)
- 卒業を祝して 日本大学医学部長 高山忠利(53回生)
- 卒業者(88回生)
- 大学院博士課程修了者
3面
- 学長賞受賞にあたって 湊 さおり(88回生)
- 同窓会長室から(39) 岡野匡雄(43回生)
- 2月定例理事会
- 第109回医師国家試験合格者
- 日大医学同窓新聞投稿規程
- 「日大医学雑誌」論文募集のお知らせ
4面
- 3月定例理事会
- Around the World〜この時、世界は〜(2015年1、2月)
- 河合達郎先生がハーバード大学外科教授に就任しました 高橋昌里(50回生)
- 心に残っている患者さん うちの息子の嫁にどうだい! 湯澤美都子(48回生)
5面
- 新春講話要旨 我が国の精神科医療の歴史と将来展望 山崎 学(39回生)
- 雑感 医療経済について 駿河台日大病院整形外科教授 長岡正宏(51回生)
- 梶原次期同窓会長、日医の「医療機関等の消費税問題に関する検討会」委員に就任! 同窓会長 岡野匡雄(43回生)
- 60周年記念文庫(83)末期がん患者のための「看取り」の教科書 吉澤明孝監修
- 知っていますか?医学部史料室(158) 新聞担当理事 宮川美知子(59回生)
- 若い人たちにお薦めする3冊の本 看護専門学校副校長 田近謙一
- キャンパスにみるアングル 駿河台日大病院 第7回
6面
- なんとかならないか(VIII)-初心忘るべからず- 至誠会こうじま慈愛病院名誉院長 奈良田光男(30回生)
- 齋藤 浩先生、天野篤教授が日本医師会最高優功賞を受賞 大西雄太郎(35回生)
- 今、学生は…(22) ラグビー部主将 野地 将(医学部4年生)
- 同窓会だより
- 日本大学医学部蝦蟇会(昭和46年度卒)卒後40周年記念同級会
7面
- 33回生(昭和35年卒)ミニクラス会
- 日大医学部同窓会足立支部
- 日本大学医学部硬式野球部OB戦OB会
- 同窓の付属病院受診システム
- 4月から 足立区支部長に小林槇雄氏(43回生)就任、日大病院支部長に小川眞広氏(61回生)就任、基礎医学支部長に浅井聰氏(59回生)就任、富山県支部長に岩城勝英氏(41回生)就任、世田谷区支部長に吉川弘二氏(45回生)就任、兵庫県支部長に明石恭治氏(52回生)就任
8面
- 日本大学医学部開成会報告
- 平成26年度茨城支部総会開催
- 求人 LOTUS CLINIC(ベトナム初の日系クリニック)