同窓新聞

第654号(2015年6月号)

2015.07.22

螢光板

梅雨に入っても気温が日によって10度近くの差があり、鍛えていない体には順応しづらい日々である。また各地での火山活動が活発化し、日本列島の環境そのものが穏やかなものから、荒々しく極端に振れるものになってきたらしい。そのような時代だからなのか、「癒し」を売りにする生活様式や用品が巷に溢れている。

「癒し」は過剰なストレスを受け流して身を守る一つの方策であろう。ネット上に溢れているさまざまなブログによって自分が孤立した存在ではないと確認することも癒しに繋がっているという見方もある。少し前に大ヒットしたSF映画に世界中の多くの人間の一生がコンピュータによって管理され、バーチャル世界でのみ人は癒され、満足して生活しているように思わされているという未来社会を描いた作品があった。この映画の世界が、最近では技術革新のスピードにより全くの空想とは言えなくなっているらしい。「ビッグデータ」の収集・解析作業がネットとコンピュータがあれば可能になり、ある個人に最適な「お勧め」を送りつけることで、言わばコンピュータの「思考」がすでにわれわれの頭の中に入り込んでいる。

ある詩人が携帯電話の単語の候補提示機能が小うるさくて使っていられないと述べていた。言葉に厳しい詩人だからこその違和感なのだろう。もしかすると言葉を発想すること自体が日常の便利な道具によって代替され、自分の頭を経由しなくても使い方が難しい言葉を楽に使えるように思っているのかもしれない。日常の言葉について考えさせられた詩人の指摘であった。

目次

1面

  • 6月定例理事会
  • 我が学生時代 土屋達行(49回生)
  • 日本大学医学部同窓会・同窓交流会参加募集のお知らせ
  • 螢光板

2面

  • 論壇 国民皆保険制度をめぐる同床異夢
  • 学芸 患者中心のイメージング 循環器内科学教授 松本直也
  • 知っていますか?医学部史料室(161) 新聞担当理事 宮川美知子(59回)
  • 求人 LOTUS CLINIC(ベトナム初の日系クリニック) 永野佑一(50回生)

3面

  • 森岡一朗君(七樹会70回生)神戸大学大学院医学研究科内科系講座小児科学こども急性疾患学部門特命教授に就任 宮本敬史(70回生))
  • 今、学生は…(25)4学年クラス委員 藏野真生
  • 同窓会各委員会委員
  • (有)櫻毉社

4面

  • 心に残っている患者さん 久保和雄(49回生)
  • 同窓会長室から 同窓会活動の見える化と活性化へ向けて 梶原 優(45回生)
  • クラス会名 八八会(平成27年卒・88回生の巻) 森町将司(88回生)
  • 同窓の付属病院受診システム

5面

  • 医局の慣例 (医)刀圭会本川越病院 病院長 竹内東太郎(45回生)
  • Around the World〜この時、世界は〜(2015年5月)
  • 若い人たちにお薦めする3冊の本 糖尿病代謝内科学分野教授 石原寿光
  • 第58回東日本医科学生総合体育大会 競技日程及び会場(案)

6面

  • 心に残っている患者さん 山形昭英(32回生)
  • 同窓会だより 埼玉県支部新年総会
  • 落語に学ぶ雑学(26)食物編 題目:干物箱 食材:魚の干物 佐藤公望(48回生)
  • 図書館だより