同窓新聞
第656号(2015年9月号)
2015.10.28
螢光板
健康診査などで、これまで数多くの「手」に出会った。大きい手、小さい手、温かい手、冷たい手そしてだらけの節くれだった職人の手等々。手はヒトが生きるための必須の道具でもあり、変形した手はこれまでの生活歴を無言で語ってくれる。ヒトの手には約5百万年前にチンパンジーとの共通の祖先から分かれて、独自の進化を遂げてきたという歴史が秘められている。二足歩行を選択して生存競争を生き抜いて進化してきたわけであるが、道具として進化してきた手指に負うところが大きいのでないか。27個の小骨が互いに連合して様々な目的に適応しているが視覚障碍者にとってはかけがえのない感覚器でもある。
駅や電車の中などでスマホを片手に、ひたすら親指を動かす若者を見かけるが今では珍しくない風景。総務省の調べではスマホの保有率が60%を超え、とくに20歳代では94%にもなるという。多くは片手で、小指で支えながら親指一本で操作するようであるが、長時間になると色々種々の障害が発生するようである。テキストサム損傷とよばれる親指の腱鞘炎もその一つであろう。
周囲では、ほとんどの家電製品がデジタル化しリモコンのボタン操作一つでオンオフが可能で、手指の出番が激減している。この50年ほどの間に算盤、計算尺や電卓などが引退を余儀なくされて、手指の器用さを競う機会は最早ないようだ。電カル時代では署名のほかには書字しないで済むという現場では、積極的に手の出番を多くすることで足腰と同様に頭脳に繋がる手を鍛えてみてはどうか。
目次
1面
- 平成27年度日本大学医学部関連病院長会議 卒後教育担当 山本隆充(49回生)
- 我が学生時代 川生 明(33回生)
- 同窓会臨時総会告示
- 三重県支部長に松谷浩氏(45回生)就任
- 螢光板
2面
- 論壇 多角的なみかた
- 9月定例理事会
- 心に残っている患者さん 塚田裕一(49回生)
3面
- 夏季医学講座を終了して 日本大学医師会会長 増田英樹(50回生)
- 同窓会長室から 同窓会活動の3つの新方針 梶原 優(45回生)
- 復興 未だ成らず 石巻市夜間急患センターの診療に従事して 宮川美知子(59回生)
- 日本大学医師会 平成27年度夏季医学講座 テーマ「高齢化社会に伴う疾患とその対応」
4面
- 心に残っている患者さん 鈴木吉太郎(33回生)
- Around the World〜この時、世界は〜(2015年7、8月)
- なんとかならないか(X)-医療界の不祥事- 至誠会・こうじま慈愛病院名誉院長 奈良田光男(30回生)
- 知っていますか?医学部史料室(163) 新聞担当理事 宮川美知子(59回生)
- 同窓の付属病院受診システム
5面
- 税を考える(26)一人医療法人の今後のゆくえ(2)医療法と税法の関係について 公認会計士・税理士 松田理明
- 学芸 乳癌の免疫療法への期待 乳腺内分泌外科研究所教授 天野定雄(50回生)
- NIHの理念 中川滋木(37回生)
- 日大医学同窓新聞投稿規程
6面
- 同窓会だより
- 吉々会(日大板橋病院 旧第二内科OB会)平成27年度東京例会開催報告
- 平成27年度山梨県支部(峡水会)総会開催
- 卒後半世紀は一閃の光芒!卒後50周年讃和会(38回卒)
7面
- 旧第二外科(心臓血管・呼吸器・総合外科)OB会開催
- 今、学生は…(27)2学年クラス委員 馬渡惟史
- 翠心祭・若樹祭実行委員会からのお知らせ
8面
- 日本大学医学部47回生(昭和49年卒)卒後41年 銀麗会
- 桜刀会(32回卒)
- 「日大医学雑誌」論文募集のお知らせ