同窓新聞
第662号(2016年4月号)
2016.05.27
螢光板
医学を意味する英単語はMedicineである。しかし辞書を調べると最初に示される意味は医薬品であり、医学・医療は、医薬品を使った学問や治療として2番目に示される。一方漢字の場合医は本来「醫」で、酒壺(酉)に入った薬草で矢(危険)を囲い込む(匸)ことを意味しており、洋の東西を問わず薬が重要な関わりをもっている。
薬はそれぞれ独特の作用をもっている。しかし複数の薬を配合して投与すれば単独の作用が修飾されることもいうまでもない。相互作用である。多くの場合、薬を単独で処方することは少なく、複数の薬が同時に投与される。先日一枚の処方せんを見て唖然とした。二十数種類の薬が記載されていたのである。現在使われている薬の多くは対症療法薬であり、症状に合わせて薬を使うとこうなるのかと呆れてしまった。薬を併用すれば、互いに相互作用を起こして予期せぬ(もちろん薬を理解していれば予期できるのだが)事態が引き起こされる。そればかりか医療経済学的にも様々な問題を引き起こす。事実、精神科領域における多剤併用大量療法が問題視され、診療報酬という飛び道具を使って制限しようとする動きまで起こっている。
一方我が国でも古くから問題となっていたが、抗生物質の過剰投与による致命的な耐性菌の発生が患者を危険にさらしていると米疾病対策センターが改めて指摘した。薬の使用方法には様々な指摘がなされてきたが、今更の感もある。医師は薬を使わなければ治療できず、必要に応じた使用が担保できるよう医薬品を正しく理解したいものである。
目次
1面
- 春の定時評議員会・総会開催 総務担当理事 吉澤明孝(58回生)
- 我が学生時代 蓑田正豪(49回生)
- (1)同窓会学術奨励賞候補者
- (2)同窓会推薦講演候補者の推薦について
- 螢光板
2面
- 平成28年度日本大学大学院医学研究科・医学部開講式
- 新入生を迎えて 会長 梶原 優(45回生)
- 平成28年度新入生名簿
3面
- 新入生を迎えて 医学部長 高山忠利(53回生)
- 論壇 故郷で死ぬということ
- 最終講義 山本樹生教授 産婦人科学系産婦人科学分野、落合豊子教授 皮膚科学系皮膚科学分野
- 日本大学医学部同窓会 平成28年度行事予定
4面
- 4月定例理事会
- Around the World〜この時、世界は〜(2016年3月)
- 顔 羽尾浩之教授(63回生) 病態病理学系人体病理学分野
- 同窓の付属病院受診システム
- 葛飾区支部長に中村 修氏(46回生)就任、愛知県支部長に鷲野正身氏(46回生)就任、茨城県支部長に池田八郎氏(41回生)就任
5面
- 7人のクリニカルフェロー 秦 光賢(63回生) 日本大学病院循環器病センター心臓血管外科
- 学芸 対策型胃がん検診が変わる! 日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科学分野教授 後藤田卓志
- 若い人たちにお薦めする3冊の本 同窓会参与 長野県支部長 大西雄太郎(35回生)
- 60周年記念文庫(85) 世界動物難病図鑑 加部吉男(33回生)著 誠美堂印刷
- 「日大医学雑誌」論文募集のお知らせ
6面
- 平成28年度 事業計画
- 平成28年度 一般会計収支予算書
7面
- 平成28年度 学生支援特別会計収支予算書
- 平成28年度 名簿特別会計収支予算書
- 死んだ人達もつらかったが生き残った人達もつらい 中川滋木(37回生)
- パキスタン・イスラム共和国でのポリオ患者(上) 坂本俊雄(35回生)国際ロータリー・パストガバナー・ポリオ撲滅コーディネーター
- 「同窓会名簿2015」完成!!
8面
- 知っていますか?医学部史料室(169) 新聞担当理事 宮川美知子(59回生)
- 新キャンパスへの道(3)寄付金の使い道 医学部長 高山忠利(53回生)
- 日本大学医学部附属板橋病院 外来診療担当医表(平成28年4月現在)
9面
- 第110回医師国家試験 根東義明 社会医学系医療管理学分野教授
- 今、学生は…(32) 山岳部部長 怱滑谷寛直(4年生)
- 新シリーズの開始について
10面
- 同窓会推薦講演
- 地域医療における医師会の役割 土橋正彦(50回生)千葉県医師会副会長 土橋医院
- 循環器専門病院における勤務経験と若手医師育成 矢嶋純二(64回生)心臓血管研究所付属病院院長
- 一億総活躍社会の実現に向けて 三ツ林裕己(55回生)厚生労働大臣政務官 衆議院議員
- 日大医学同窓新聞投稿規程
11面
- 同窓会だより
- 日大医学部硬式野球部OB戦・OB会開催
- 北区支部会開催
- 栃木県支部総会開催
- 第536回日大医学会例会プログラム
12面
- 三四会(昭和36年卒)同窓会・懇親会・観光in広島
- 港区支部総会開催
- 募集「支部長・卒業年次代表者会」におけるビデオセッションの発表