同窓新聞
第677号(2017年10月号)
2017.11.30
螢光板
中高生の読解力が低調であることが、国立情報学研究所の初調査で明らかになった。中学3年生の四人に一人(25%)が教科書レベルの基礎的な読解力を身につけないまま、義務教育を終えているらしい。この結果を「スマホのせい」にするのは、それこそ読解力の低下を露呈するものであり早計である。このような読解力調査は今回が初めてであるので、中高生の読解力が低下してきているのか、はたまた昭和時代の中高生もこの程度の読解力であったのかは判断できない。このなかにはある程度のディスレクシア(難読症、学習障害の一種)を抱えている生徒がいる可能性を考慮すべきである。また、日本語は英語に比べると文法が曖昧な点が多く、正確に内容が伝わりにくい言語なのかもしれない。
確かにわが日本大学医学部にも、文章で記載されている教科書を理解できない学生がいる。彼らは要点のみが箇条書きで列挙されたテキストを愛用している。
我々は、多くの文章に囲まれて日々の仕事をしている。検査・手術等の説明・同意書、診療情報提供書、論文など重要なことを正確に伝えることを目的とした文章を作成する機会も多い。特に患者向けの文書では、わかりやすさを第一とするのは当然であるが、それでも四人に一人くらいは正確に伝わっていない可能性があることを心に留めておく必要がある。加えて日本語を母語としない患者も増加傾向である。逆に、論文、ガイドライン等々、読まねばならないテキストも膨大であるが、たまにはこれらを置いて、秋の夜長、楽しい読書に耽りたいと思う。
目次
1面
- 第16回日本大学医療系同窓・校友学術講演会に参加して 渉外担当理事 平山晃康(54回生)
- 我が学生時代 松永雅雄(36回生)
- 醫の肖像〜日本大学医学部コレクション〜発売開始!!
- 2018年新春講話演者決定
- 螢光板
2面
-
10月定例理事会
-
我が学生時代 奈良道雄(36回生)
-
疋田博之先生(39回生)日本小児科学会小児保健賞を受賞
-
日大医学同窓新聞投稿規程
3面
- 変わらないで生き残るためには 渡辺 登(49回生)
- 大阪陽子線クリニック竣工式に列席 中川滋木(37回生)
- 学芸 漢方薬の副作用は…明治薬科大学臨床漢方研究室教授 矢久保修嗣(57回生)
- バラの栽培と研修医教育 麻酔科学系麻酔科学分野研究所教授 佐伯 茂(53回生)
4面
- 論壇 社会医学系専門医制度について
- 心に残っている患者さん 一下肢重度外傷の患者さん JCHOさいたま北部医療センター整形外科 矢作 宏(50回生)
- 知っていますか?医学部史料室(184) 新聞担当理事 宮川美知子(59回生)
- 「日大医学雑誌」論文募集のお知らせ
5面
- 思い出(2)くまその会の歴史 参与 久保田順一(30回生)
- 今、学生は…(47) 料理部主将 山崎崇司(医学部3年生)
- 同窓会だより
- 第22回文京支部総会開催
- 平成29年度山梨県支部総会(峡水会)開催
- 同窓の附属病院受診システム
6面
- 平成28年度兵庫県支部総会
- Around the World〜この時、世界は〜(2017年9月)
- 平成29年度日大三高会(三高会)
- ご意見募集!!