同窓新聞

第688号(2018年11月号)

2018.12.27

螢光板

人生100年の時代と云われて久しい。過去には、100歳の双子「きんさん、ぎんさん」がいた。杖をついてやっと歩いていた二人が、世間に注目されるにつれてシャキシャキと歩くようになり、テレビコマーシャルに出演してしまった。テレビ出演は数しれず、そのユーモアたっぷりの話し方がお茶の間をにぎわした。

最近では、90歳に手が届く女性が、自撮り写真をパソコンで加工して面白い写真にしたのが話題になった。この女性は、本を出版している。カメラを始めたのは、70歳代になってからだそうだ。足が不自由で遠くに出かけることができないので、花など屋内で撮影できるものや自撮りに興味を持つようになったという。しかし…、90歳近い年齢であっても写真を加工するためにパソコン操作を学ぼうという向上心には、頭が下がる。同時に、「自分も元気で、認知症などにならずに齢を重ねたい」と願う次第である。

日常、介護保険の主治医意見書を書いたり、認知症の簡易検査を行う時にいつも思うのは、QOLの低下や認知症の進行と年齢が必ずしも相関しないことである。60歳代であっても、日常生活に支障を来していて介護を必要としている人もいれば、80歳代であっても町会や高齢者クラブの活動をしたり、シルバー人材で働く人がいる。第2の子育てで、孫やひ孫を実親よりも一生懸命育てている人もいる。ここまでくると、働く世代にとって欠かせない助っ人だ。

興味をもったことにチャレンジすることは、いつまでも元気でいるヒケツだと、私は自分に言い聞かせている。