同窓新聞
第690号(2019年1月号)
2019.03.29
螢光板
年末年始は「平成最後の」という言葉があふれていた。年初にいきなり「最後」という単語には違和感があるが、本紙も平成最後の1月号である。
この30年間で一番大きな変化は情報革命だったと思う。平成の初めにファクスが一般家庭に普及し、それだけでも十分便利だと思っていたが、平成10年頃にはインターネットの時代を迎えITという言葉が生まれた。ハンディタイプの携帯電話は昭和の終わりにはすでに使われていたが段々小型化し、平成11年にNTTドコモのiモードが開発されて世界で初めて携帯電話でEメールの送受信、Webページの閲覧などができる端末へと進化した。
そして平成20年にiPhoneが発売されスマートフォンが登場した。学会場でもスマホやタブレットで抄録やプログラムを見る医師が大半である。私などは、まだ紙をめくって見る方が早いと感じるが、それでもインターネットの恩恵には浴している。
しかし、インターネットは本当に便利なのだろうか。常にEメールを通して連絡できるようになって仕事に追い回されるようになってきた感がある。休日でもインターネットを使うのが当たり前となり、その前提で仕事は依頼される。情報を得なければ取り残されていくという危機感も生まれてインターネットを見ない日はない。
我々が子供の頃は火鉢にあたりながら祖父母と正月を迎えたものだが、今や年末年始でもインターネットで仕事をせざるを得ない同窓の先生も多いはずである。情報革命は本当に人類に幸福をもたらしているのだろうかと考えながら正月休み?を過ごした。