同窓新聞

第691号(2019年3月号)

2019.04.26

螢光板

自動車は便利な交通手段だが、心身の老化に伴い運転技能は低下していく。高齢になると、何歳まで運転するのかという、難しい判断を迫られる。警視庁によれば、運転免許証の更新期間が満了する日の年齢が75歳以上のドライバーは、高齢者講習の前に認知機能検査を受けなければならない。検査には、1.時間の見当識(当日の年月日、曜日、時刻を記載する)、2.手がかり再生(16種類のイラストを記憶して回答する)、3.介入問題、4.時計描画(文字盤を描き指定された時刻を表す針を描く)があり、難関は「手がかり再生」である。総合点が76点以上ならば、記憶力・判断力に「心配のない者」と認定されるが、49点以上76点未満は「少し低くなっている」、49点未満は「低くなっている」と判定され、赤信号が点る。筆者は、2017年3月に高齢者講習を受け、4月に免許の更新を果たした。不安だった認知機能検査では、83点が取れた。しかし3ヶ月後には、不覚にもスクールゾーンに進入し、通行禁止違反をしてしまった。ここで一念発起し、警視庁のサイトに公表されているイラストの全てを記憶し、臨時認知機能検査で100点満点を獲得したが、新たな懸念も生じた。次回も満点を取らないと、認知機能が低下していると判断される恐れがある。点数によってはさらに臨時適性検査(専門医による診断)を受け、又は医師の診断書を提出することになり、認知症であると診断された場合には、聴聞等の手続の上で運転免許が取り消され、又は停止されるからである。振り返ってみると、作戦を間違えたかもしれぬ。