同窓新聞

第709号(2020年12月号)

2021.01.29

螢光板

今年も残すところあと僅か。本当に今年は、また年をまたいで当分の間、新型コロナに振り回されるのだろう。ニュースが無い平穏な日々も退屈だが、何か定まった基準や基盤を見出せないまま、クラゲのように浮遊した一年だった気がする。それまで当たり前だったことの有難さを思い知らされ、と同時に、その当たり前がもう不可能なのだ、という切なさで気持ちが落ち込んだりもした。ステイホームということで、在宅勤務あるいはリモートワークという言葉が普及し、生活における仕事と家族のあり方にも一石が投じられた。今まで「~であるべき。」と限定されていた既成概念についてもそれが本当に必要なものかなど議論されるようになったと思う。学校では、前学期早々に続々と遠隔授業への切り替えが始まり、SNSやインターネットを含めて何が何やら。対応しきれずに溺れかけそうだった。そして夏を過ぎ、後学期になると今度は対面授業や実習が多少とも再開され、教員側は新たな準備に追われもしたが、何よりも印象的だったのは実際に登校してきた学生達の喜びようだった。実習の度に、その時間が終わるのを惜しむように、一生懸命やる。今まで見たことのない真剣さである。アナログな人と人の接触・対面ならではの意義を、彼らはここにきて初めて体得する機会を得たのかもしれない。今回の辛い経験がポジティブな意義を将来に残し、若い世代がそれを活かす、という新たな希望を感じた。いずれにしても、我々は今をどうにか生き延び、良き未来へと変容することこそを信じてゆきたいものである。

目次

1面

  • 医学部新執行部挨拶
    次長就任挨拶 機能形態学系生体構造医学分野教授 相澤 信(53回生)
    学務担当挨拶 医学教育センター教授 日台智明
    学生担当挨拶 病態病理学系人体病理学分野教授 羽尾裕之(63回生)

  • 我が学生時代 弓倉 整(52回生)

  • 螢光板

2面 

  • 医学部新執行部挨拶
    卒後教育担当 就任挨拶 脳神経外科学系神経外科学分野 吉野篤緒(59回生)
    就任挨拶 企画・広報担当 社会医学系医療管理学分野 教授 根東義明
    日本大学病院との連携のお願い 日本大学病院 病院長 天野康雄

  • 論壇「性分化疾患の新しい理解」

3面 

  • 心に残っている患者さん〈後編〉 松﨑浩巳(苑田第3病院 東京脊椎脊髄病センター・41回生)

  • 心に残っている患者さん 石塚英夫(永生会クリニックゼロ・院長 42回生)

  • 学芸「医療経済と先端医療」日本大学医学部外科学系心臓血管 外科学分野准教授(研究所)日大板橋病院血管外科部長 前田英明(56回生)

4面 

  • 増加する高齢者の外科治療 呼吸器外科学分野 主任教授 櫻井裕幸(山梨大学医学部平成6年卒)

  • コロナ禍に思う医師国家試験 社会医学系 医療管理学分野 主任教授 根東義明(東北大医・昭和56年卒)

  • 落語に学ぶ雑学(53)食物編 題目 海老床/食材 海老 佐藤公望(48回生)

  • 若い人たちにお薦めする3冊の本 医療法人社団和順会 吉川小児科 吉川弘二(45回生)

  • 今、学生は… (77) 5年クラス委員 木山拓海(5年生)

5面 

  • 知っていますか?医学部史料室(215)新聞担当理事 宮川美知子(59回生)

  • 税を考える(42)国や地方自治体から給付される給付金などの課税について 公認会計士 松田理明

  • 我が学生時代 松本章一(41回生)

  • 同窓会だより

  • 兵庫県支部総会