同窓新聞
第715号(2021年7月号)
2021.09.30
プリズマ
新型コロナウイルス感染症の感染拡大に歯止めがかからず、現在では第5波への危機感が広がっている。透析患者が新型コロナウイルスに感染した場合の致死率は一般住民と比較してどの年代でも高く、特に80歳以上での致死率は50%を超えることが報告されている。透析患者は重症化しやすいことを踏まえ、全例入院治療で対応することとなっている。2020年12月末から2021年1月の第3波の際には透析患者の感染者数も急増し、入院という原則が保てずに入院が決まるまでの間は自施設で透析を継続しなければいけない状況となり、入院中の患者が重症化した場合でも転院先を見つけることが困難となり透析領域では医療崩壊が生じた。その後、医療者、高齢者の順でワクチン接種が始まった。透析患者の68.7%は65歳以上の高齢者で占められているため、幸いなことに多くの透析患者は6月までにワクチンを接種することができた。その結果、第4波までは東京都の陽性者数と透析患者の陽性者数の関係は相関していたが、第5波である現在ではその相関は見られなくなった。ワクチンの効果であろう。さらに抗体カクテル療法への期待が高まっている。一方で現在、65歳未満のワクチン供給が停止してしまっており、さらなる感染拡大が危惧されている。先日、私立医科大学協会加盟大学における新型コロナウイルス感染患者の診療実績が発表された。日大板橋病院は全国で第2位の診療実績であった。地域医療の中核のみならず、日本の中でも優れた特定機能病院の一つであることを実感した。
目次
1面
- 第1回学術講演会「新型コロナウイルス感染症」サテライトセミナーの開催にあたって 学術・医療連携担当副会長、 総合診療学分野 髙山忠輝(63回生)
- Covid-19診療~呼吸器内科医の立場から 權 寧博(65回生)
- 新型コロナウイルス感染症 Overview 現代社会の脆弱性とCOVID-19の教訓 早川 智
- プリズマ
2面
- 日本大学医学部同窓会会員交流員会企画「九州ブロック・熊襲会」の支部長・評議員・役員サミット開催報告 会員交流委員会副担当理事 鈴木武樹(53回生)
- 参与就任挨拶 西野憲史(43回生)
- 参与就任挨拶 平山晃康(54回生)
- 同窓会長室から
- パラダイムシフト パソコンとUSBメモリーの普及が画期的変化を 元皮膚科学主任教授、松本歯科大学特任教授 鈴木啓之(38回生)
3面
- 7月定例理事会
- 8月理事会協議事項
4面
- 学友会雑誌から(22)戦前の日大医学科から-「学用患者」について- 医学部創設100周年記念誌編纂作業部会 西成田 進(46回生)
- あの頃は その3 医局対抗野球試合 泌尿器科 同門会 会長 熊谷振作(44回生)
- 今、学生は…(83)今、学生は新しい学生生活をしています 翠心会 会長 松本雄太(4年生)
5面
- 我が学生時代 金髙眞人(53回生)
- 日本大学病院 一般外来診療担当医表
- 新型コロナ学術講演会 アーカイブ視聴のお知らせ
7面
- 新型コロナウイルス流行による小児診療への影響 日本大学医学部小児科学系小児科学分野 森岡一朗(70回生)
- NASA JSC CVLab.留学時の活動報告について。その4 中里龍生(61回生)
- ゴール3 すべての人に健康と福祉を 天木 聡(52回生)
8面
- 財務担当理事 就任挨拶 川俣博文(65回生)
- 学術担当理事 就任挨拶 内科学系呼吸器内科学分野 權 寧博(65回生)
- 災害担当理事就任挨拶 永井幸夫(47回生)
- 広報副担当理事 就任挨拶 日本大学医学部 生体機能医学系生理学分野 三木敏生(65回生)
- 総務副担当理事就任挨拶 須賀田元彦(61回生)
- 私の趣味 第47回銀麗会(昭和49年卒)吉原久司(47回生)