同窓新聞
第717号(2021年10月号)
2021.11.30
プリズマ
コロナ禍におけるがん緩和医療
2020年コロナ禍になり医療体制に大きな影響が出ている。がん治療においては、手術の差し控え、受診差し控え、病院側では面会制限(原則禁止)などが医療現場では起こっていた。そしてコロナ病床を持たない中小一般病院では、病棟内でコロナ陽性患者が出ると、院内クラスターを作らないように、コロナ病床のある病院へ転院することが原則となる。しかしこれも第4波までは比較的スムーズにできたが、第5波の大波では、医療逼迫によりコロナ病床が満床となり転院先が見つからず、結局自院で10日以上経過し症状が落ち着いていれば、隔離解除になった患者もいる。そしてがん末期患者も例外ではなく、コロナ陽性になった場合、転院先を探すことになる。転院先が見つかれば転院され10日くらいで、症状増悪なければ再度転院されてくる。しかし、がん末期患者の多くは、紹介された時点で予後が限られた患者であり、週~月単位の方も多い。患者を転院させる緩和ケア医の立場では、転院先で疼痛など症状緩和を充分にしていただけているか?面会できず寂しい思いをされていないか?無事もどってきてくれるか?などを考えて転院先に送り出している。緩和ケアとは、症状緩和することが目標ではなく、患者本人が望む療養の場で、最後まで過ごすことが目標であり、早くワクチン接種率が上がり、治療薬が出来てコロナが完全収束し、望まれる緩和ケアを元通りできる医療体制に回復してほしいと心から思う。
目次
1面
- 同窓会歴史遺産特別委員会・医学部創立100周年記念 特別委員会開催 同窓会会長 隈部時雄
- 初代医学科長 額田豊先生について 日本大学医学部創立100周年特別委員会 委員長 西成田 進
- 会員交流委員会 東北ブロック 支部長・役員サミット/北陸・甲信越ブロック
- 第19回 日本大学医療系同窓・校友学術講演会中止のお知らせ
- 支部長・卒業年次代表者会 中止のお知らせ
- プリズマ
2面
- 同窓会長室から
- シリーズ「学部長室から」課題解決の進捗 後藤田卓志
- 落語に学ぶ雑学(58)身体編 題目 熊の皮 行為 抜け毛 佐藤公望(48回生)
- パラダイムシフト 血管外科のパラダイムシフト 根岸七雄(40回生)
3面
- 陸軍現役将校學校配属令施行15年記念 全国学生生徒御親閲式-学友会雑誌24号、昭和14年(1939年)から-(24) 医学部創設100周年記念誌 編纂作業部会 委員長 西成田 進(46回生)
- 今、学生は…(85)日本大学 医学部6年 深澤高広(6年生)
- 新型コロナウイルス雑感 木下 毅(39回生)
4面
- 10月定例理事会
5面
- 臨時総会資料 第1号議案
6面
- 臨時総会資料 第2号議案
7面
- 総会資料 同窓会会長 隈部時雄
- 事業現況報告(令和3年度)
9面
- Olympic Games Tokyo 2020にメデイカルボランティアとして参加 日本大学松戸歯学部耳鼻咽喉科 丹羽秀夫(64回生)
- 心に残っている患者さん 加納はるみ(北川医院・53回生)
- ゴール5 ジェンダー平等を実現しよう 天木 聡(52回生)
10面
- 一部週刊誌の報道(胃がん・肺がん生存率)について
- 我が学生時代 川口洋祐(川口クリニック院長・53回生)
- 著書紹介『OK指体操で認知症はよくなる』(マキノ出版 竹内東太郎) 西成田進(46回生)
- 合着 白川貴士(63回生)