同窓新聞

第718号(2021年11月号)

2021.12.28

プリズマ

数年前に実家を解体することになり、ピアノを引き取った。子供の頃に弾いていた思い出のピアノである。しばらくは、気が向いた時に触れる程度で放置していたが、新型コロナウイルス感染症が流行し始めた頃から、自然と毎日少しずつ弾くようになった。毎朝、出勤前にほんの10分~15分ほど音を出す。まず、ハノンの練習曲を弾く。ピアノを習っていた方にはお馴染みの、ピアノ教本ハノンであるが、決して楽しくはない。しかし、この基礎練習をやるかやらないかで、例えば3ヶ月後の指の動きが全く違うのだ。子供の頃は「やらされている」感じであったが、今は大いに成果を実感できる。両手の指を細かく動かすことで、脳が目覚めてくる感触もある。昨年、2020年の春に、自分の課題曲としてメンデルスゾーンの「春の歌」を練習し始めたが、なかなか弾けるようにはならず、夏になっても秋になっても冬になっても「春の歌」であった。毎日少しずつ譜読みをし、再び春が巡ってきて、どうにか少し形になった。自己満足ではあるが、とりあえず「春の歌」は卒業ということにして、今はまた別の曲に取り掛かっている。結局、どのようなことも「基礎・基本」「目標を立てること」「毎日の継続」が大切なのだとしみじみ感じる。誰に聞かせるものでもないが、自分の楽しみとして、これからも毎日少しずつ弾いていく。後ろで愛犬が唯一の聴衆として、迷惑そうに聞いている。

目次

1面

  • 日本大学医学部同窓会会員交流員会企画「東北ブロックの支部長・評議員・役員サミット」開催報告 会員交流委員会副担当 鈴木武樹
  • 2021年度第2回学術講演会のお知らせ
  • 医学部・ある建造物の記録
  • 同窓会名簿2021作成中のお知らせ
  • プリズマ

2面

  • 参与就任挨拶 後藤利昭(42回生)
  • 参与就任挨拶 大井知教(59回生)
  • 参与就任挨拶 千葉敏彦(64回生)
  • 「新型コロナの患者学」―新型コロナ感染症に罹患した医師の107日の闘い―を上梓! 同窓会顧問 岡野匡雄(43回生)
  • パラダイムシフト 医師としてのパラダイムシフト (医)埼玉成恵会病院健康管理センター長 竹内東太郎(45回生)

3面

  • 令和三年 臨時総会 会長挨拶
  • 令和3年度 長寿者御芳名一覧
  • 板橋病院消失(25)―戦前の同窓会活動から― 医学部創設100周年記念誌編纂作業部会 西成田 進(46回生)

4面

  • 11月定例理事会

5面

  • 私の肝臓学への進路に矢印を与えてくれた患者さん(前編) 日本大学名誉教授・公立阿伎留医療センター院長 荒川泰行(40回生、仁蕾会)
  • 喜寿を迎えて・歌舞伎考 泉 洋一(46回生)
  • 今、学生は…(86) 5学年 平本智子(5年生)
  • 動向(令和3年9、10月)

7面

  • 同窓会推薦講演 Hybrid ERがもたらした救急医療最前線のparadigm shift 自治医科大学大学院医学研究科 教授 自治医科大学附属さいたま医療センター 救命救急センター(自治さいたまER) 守谷 俊(61回生)
  • 学術奨励賞受賞記念講演要旨 低出生体重児の糖・脂質代謝異常と生活習慣病に関する研究 日本大学医学部小児科学系小児科学分野 准教授 長野伸彦(77回生)
  • ゴール6 安全な水とトイレを世界中に 天木 聡(52回生)

8面

  • 令和2年度 同窓会60周年記念 医学奨励基金研究助成金受領者成果報告 膠芽腫に対する抗ウイルス薬を用いた新規治療法の開発に向けた前臨床研究~新たな実験系の立ち上げとその成果報告~ 脳神経外科学系神経外科学分野 助教 山室 俊(82回生)
  • 令和3年度 第19回板橋病院医療連携講演会・意見交換会開催について 日本大学板橋病院連携センター長 高山忠輝(63回生)