同窓新聞
第724号(2022年6月号)
2022.07.29
プリズマ
常日頃から若者の犯罪について考えている。簡単に親友や同級生を殺害してしまう。背景にはコミュニケーション能力の欠如が大きく関係している。幼少期から携帯電話を利用し、活字で物事を済ませる。昭和の時代、我々は親友とよく殴り合いをしたものだ。幼少期から人の痛み、人を傷つける苦しみ、傷ついた家族の苦しみを知っていた。現代では、同じ教室に居ながら、メールやLINEで喧嘩をし、限界を超えると簡単に相手を刺してしまう。ネット社会は、傷つくこと、人と向き合うことや未知の領域に飛び込んでいく勇気を若者から奪っている。最も重要なことは、人と向き合うことやコミュニケーションの大切さ、一歩前に踏み出す勇気と情熱を持つことである。前に出なければ、災いを被ることはないが、その先にある真実を見つけることは不可能である。一歩前に踏み出せば、大きな壁が立ちはだかり、時には足をすくわれる。しかし、壁があるからこそ、それを乗り越える努力が生まれ、足をすくわれれば、すくわれない技を身に着けることができる。何度怒られ、傷つき、何度恥をかいたか、その数が多ければ多いほど人は大きく成長する。しっかり向き合い、堂々と自分の意思を表現し、真実を求めてまい進していく強い意志を持つこと、これこそ日本大学が掲げる、自主創造の理念なのだ。
目次
1面
- 春の定時評議員会・総会開催 総務担当理事 倉石和明(64回生)
- ≪同窓会特別講演要旨≫整形外科医として、学長として 広島大学長 越智光夫
- プリズマ
2面
- ≪論文紹介≫向精神薬のミダゾラムが担癌モデルの抗腫瘍・抗炎症効果と疼痛緩和に寄与することを発見! 医学研究企画・推進室 研究所准教授 佐野 誠
- パラダイムシフト 考えてみようパラダイムシフトの意義 正木忠明(47回生)
- 専門部医学科長と医学部予科長(医学部長)(30) 日本大学医学部創設100周年記念誌 編纂作業部会 部会長 西成田 進(46回生)
3面
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税を考える(46)土地や建物などの不動産は財産か?負債か? 公認会計士・税理士 松田理明
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今、学生は… (92)美術部主将 木村はるか(医学部4年生)
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前田中理事長体制が医学部・そして大学病院の経営に与えた影③―日大医学部再生への提言― 前小児科主任教授 高橋昌里(50回生)
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落語研究会のこと 野上芳美(24回生)
4面
- 私立大学のガバナンス(後編) 中川滋木(37回生)
- 我が学生時代 野口幸啓(野口クリニック院長・53回生)
5面
- 6月定例理事会
7面
- ゴール12 持続可能な消費と生産のパターンを確保する 天木 聡(52回生)
8面
- 徳島県支部会開催 井上光郎(49回生)
- 公立阿伎留医療センター 新型コロナウイルス感染予防と拡大防止の事跡を振り返る 日本大学名誉教授/公立阿伎留医療センター名誉院長 荒川泰行(40回生)