同窓新聞
第729号(2022年12月号)
2023.01.31
プリズマ
東京都は1983年度から花粉症対策に取り組んでいるとのことだ。実際スギ花粉症により都民の半数近くが苦しんでいると想定されている。スギから連想したのは子供の頃によく聴いた童謡の「お山の杉の子」だ。椎の木林のすぐそばにあった「丸々坊主のはげ山」に植林された杉の子が椎の木に嘲笑されながらも皆のためにお役に立とうとスクスク育ち椎の木を見下ろす大杉となったという歌詞と記憶していて嘲笑にめげずに頑張る歌と認識していた。改めて、歌詞を確認すると元歌は戦時中の昭和19年発表され、特に5番、6番は戦時中の日本を色濃く反映し、「兵隊さんを運ぶ船、傷病勇士の眠る家」、「杉の木のように立派な兵隊になって日本を護ろう」など、国威発揚歌だったらしい。この5番、6番は戦後GHQの検閲で「杉の木が家や日常品に役立つ」、「スポーツを忘れずに頑張って、立派な人になり明るく楽しい日本をつくろう」という内容に変更された。いまの日本では考えられないが、いまだに世界は同様な不自由を強制されているひとびとがあふれていると考えると心が痛む。話は花粉症にもどるが東京都の約4割を占める森林には花粉を大量に飛散させる樹齢30年以上のスギやヒノキの人工林が広がっている。東京都農林水産振興財団は2006年からこれらの人工林を伐採し花粉の少ないスギの植林をおこなっているとのことで今後20年もすると東京都由来のスギ花粉症で悩む人は激減するかもしれない。
目次
1面
- 秋の評議員会・臨時総会開催 総務担当理事 倉石和明(64回生)
- 教授就任挨拶 東京医科大学 基礎社会医学系 社会医学 法医学分野 主任教授 内ヶ崎西作(63回生)
- 令和4年 秋の叙勲者
- プリズマ
2面
- 医学部同窓会創立記念講演 医学部時代と総長時代の歩み、将来への展望について 医学部同窓会顧問 元総長、元医学部長、名誉教授 瀨在幸安(28回生)
- 同窓会創立記念日式典講演会(令和4年10月23日)講演要旨 日本大学医学部創設 100周年特別委員会(同窓会) 西成田 進(46回生)
- 東海ブロック 合同支部会開催
3面
- 今、学生は… (96) 日本大学医学部スキー部主将3年 石田佳琳(3年生)
- パラダイムシフト 日本精神神経学会のパラダイムシフト 小島卓也(元日大精神科教授)
- 税を考える(48)110万円暦年贈与廃止!? 公認会計士 松田理明
4面
- 12月定例理事会
5面
- 戦後の医学部・同窓会(35)―「日大医学同窓新聞」発刊の経緯(2)― 日本大学医学創設100周年記念誌 編纂作業部会 西成田 進(46回生)
- 我が学生時代 大谷口の水上応援歌 佐々木 淳(54回生)
- 落語に学ぶ雑学(62)食物編 題目 いが栗 食材 栗 佐藤公望(48回生)
7面
- 翠心祭を終えて 令和4年度 翠心祭実行委員長 天木 快(3年生)
- 若樹祭を終えて 若樹祭実行委員長 田畑翔世(2年生)
- ゴール17 パートナーシップで目標を達成しよう 天木 聡(52回生)
8面
- 令和3年度 同窓会60周年記念 医学奨励基金研究助成金受領者成果報告 病態病理学系微生物学分野助教 髙田和秀(院卒)
- 学術奨励賞受賞記念講演要旨 日本大学医学部病態病理学系微生物学分野 相澤志保子(75回生)