同窓新聞
第732号(2023年4月号)
2023.05.31
プリズマ
2022年2月24日、プーチンのロシア軍は軍事演習を偽装して突然ウクライナへ侵攻した。プーチンの大ロシア主義をどう言いつのっても、ウクライナがかつてソ連邦構成の一部であったことの正当性をどう主張しても、これは「侵略」以外の何物でもない。地政学的にみてウクライナはロシアの南西部に深く食い込んで、喉元を刺しかねない“剣”の場所に位置している。ソ連邦崩壊後、ロシアは西側に対する防衛線であったバルト3国、チェコなどの東欧諸国を失い、それらの国はEUという文化・経済圏に組み込まれ、さらにこれらの国々はNATOという西側軍事同盟の一員として組み込まれ、ロシアの軍事防衛線は本国に向かって後退の一途をたどっている。ウクライナもまた西側の一員としての動きを速めていた。プーチン・ロシアはウクライナのNATO加盟前に「手を出す」ことを自国防衛の絶対的条件と見ていたのである。新聞の外交面レベルの記事を眺めても、プーチンの侵攻は半年近く前にその予兆をすでに見せていた。ゼレンスキーは戦争の現状を彼の予測通りとみているであろうか。ウクライナの総死傷者数はすでに10万人以上、国内(避)難民700万人、EU、特にポーランドをはじめとする国外避難民も700万人以上(日本には約2000人)に達している。この数はウクライナ全人口の3分の一以上に達する。この現状は「正義(善)は我に、非(悪)はプーチンあり」と唱えてみても、やはりポピュリズム政治家が見通すことのできなかった「政治の失敗」の結果ではなかろうか(S.N.)。
目次
1面
- 会長代行を拝命して 会長代行副会長 吉澤明孝(58回生)
- 令和5年度 日本大学大学院 医学研究科・医学部開講式挙行
- プリズマ
2面
- 新入生を迎えて 医学部長 木下浩作(救急医学系救急集中治療医学分野 60回生)
- 入学を祝して 日本大学医学部同窓会 会長代行 吉澤明孝(58回生)
- 退任挨拶 外科学系小児外科学分野 教授 越永從道(56回生)
- パラダイムシフト 死生観 根岸七雄(40回卒)
3面
- 第117回 医師国家試験 5・6年次学力統一試験作業部会長 鈴木正泰(精神医学分野・主任教授 75回生)
- 医師国家試験対策について 医師国家試験対策委員会委員長・学生担当 羽尾裕之(病態病理学系人体病理学分野 63回生)
- 戦後の日本大学医学部 医学部関連病院(1)―「三三會」についてー(38) 日本大学医学部創設100周年記念事業準備委員会 西成田 進(46回生)
4面
- 4月定例理事会
- 日本大学医学部同窓会 令和5年度行事予定
5面
- 書面表決資料 第1号議案
6面
- 書面表決資料 第2号議案
7面
- 日本大学医学部同窓会 定時総会
9面
- 日本大学病院 医療連携について 医療連携委員会 委員長 森 隆三郎(68回生)
- 医療連携講演会 抄録 糖尿病・肥満症治療センター センター長 藤城 緑
- 医療連携講演会 抄録 消化器病センター長 山下裕玄
10面
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心に残っている 患者さん 医療法人三慶会 指扇療養病院院長 森山光彦(54回生)
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一般社団法人 日本脳神経外傷学会の理事長に脳神経外科の吉野篤緒教授が就任されました 脳神経外科学系神経外科学分野 医局長 山室 俊(82回、平成21卒)
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落語に学ぶ雑学(64)食物編 題目 蛸芝居 食材 蛸墨(蛸すみ、烏賊すみ) 佐藤公望(48回生)
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今、学生は… (99) LMC主将 谷田部一輝(医学部4年生)