同窓新聞

第760号(2026年4月号)

2026.05.29

螢光板

小学生の頃、「オイルショック」という言葉とともに、突然物が手に入らなくなるという話を耳にした。実際に困った記憶はほとんどない。ただ、コロナ禍で手袋や薬剤、消毒資材が不足したとき、同じことが現実に起きるのだと実感した。「備えあれば憂いなし」という言葉があるが、現実には備えていても物流そのものが止まることがある。問題は単なる不足というより、供給に依存した仕組みにあるのかもしれない。医療は多くの資材を外部に頼っており、その前提が揺らぐと、診療は思いのほか制約を受ける。例えば、手袋や注射針、基本的な薬剤が不足すれば、日常の診療でさえ継続が難しくなる。さらに消毒資材や検査に必要な物品が欠ければ、安全性にも影響が及ぶ。普段は意識しないが、診療の継続はこうした物資の上に成り立っている。手袋や薬剤といった基本的な物資が欠けたとき、医療は想像以上に脆さを見せる。どこまでが続けられる医療なのか、その境界は平時には見えにくい。だからこそ、日常の延長線上で、ふと立ち止まり考えてみることも必要なのかもしれない。物に頼れない状況を想定し、自分の心身を普段から知っておくことは、山に入るときの備えにも通じるように思う。

目次

1面

  • 令和8年度 日本大学大学院医学研究科・医学部開講式挙行
  • 我が学生時代 医療法人静心会 平成病院 理事長 中島隆明(59回生)
  • 螢光板

2面

  • 入学を祝して 会長 吉澤明孝(58回生)
  • 令和8年度「新入生を迎えて」 医学部長 木下浩作(60回生 救急集中治療医学分野) 
  • 新キャンパスへの道 板橋キャンパス再整備計画~工事の進捗状況報告~ 医学部長 木下浩作(60回生 救急集中治療医学分野)

3面

  • 〈2025年度 日本大学医学部同窓会 学術講演会〉令和8年3月17日開催
    ・心筋生検検体を用いた心筋疾患の人工知能による診断支援システムの開発と今後の展望 病態病理学系人体病理学分野 羽尾裕之(63回生)
    ・AIを用いた神経障害性疼痛スクリーニングツールの開発 整形外科学系整形外科分野 中西一義(67回生)
    ・AIの画像診断での役割~新生児PICC研究と実臨床における肺結節検出~ 放射線医学系放射線医学分野 青木亮二
  • 学生学会参加費用支援金受領者報告
    ・多学部連携による災害医療教育の実践と成果 秋山裕亮(3年生)

4面

  • 第120回医師国家試験の結果報告 生体構造医学分野 平井宗一
  • 同窓会・付属病院医療連携推進連絡会開催
    ・板橋病院病院長 脳神経外科 吉野篤緒(59回生)
    ・医療連携担当理事 渡辺 豊(46回生)

5面

  • 4月定例理事会
  • 今、学生は… (126) 翠心会会長 西川優輝(医学部4年生)

6面

  • 学生ファースト 功労会員 大西雄太郎(35回生)
  • 「第3回 日本大学女性教員のためのネットワークミーティング:ようこそ医学部へ」開催報告 医学部ダイバーシティ推進委員会委員長 増田しのぶ
  • 学芸 Dysfunctional Breathingの診断にはナイメーヘン質問票を。 内科学系呼吸器内科学分野 診療教授 日本大学医学部附属板橋病院 心療内科部長 丸岡秀一郎(68回生)

7面

  • 60周年記念文庫(92)実証眼科の祖「土生玄碩」児玉良雄著 監事 西成田 進(46回生)
  • 心に残っている患者さん 春日部市立医療センター副院長 兼 内科主任部長 藏 良政(58回生)
  • 若い人たちにお薦めする3冊の本 病態病理学系微生物学分野 教授 相澤志保子(75回生)
  • 「続」知っていますか?医学部史料室(6) 新聞担当理事 宮川美知子(59回生)

8面

  • 退任挨拶 病態病理学系腫瘍病理学分野 主任教授 増田しのぶ
  • 退任挨拶 泌尿器科学系泌尿器科学分野 主任教授 高橋 悟
  • 退任のご挨拶 医系自然科学分野教授 宇田川誠一
  • 雑感 次の100年へ─日大医学部が真に魅力ある学部となるために 東京北部病院 院長代行 長田恒明(70回生)

9面

  • 同窓会だより
    ・大田区支部総会 西尾亜理(74回生)
    ・讃和会(38回生)開催の報告 藤川雅彦(38回生)
    ・百志会・卒後30年の同窓会 中村仁美(68回生)
    ・桜越会開催 秦 重美(59回生)

10面

  • 同窓会だより
    ・令和七年度 栃木県支部総会 戸村光宏(46回生)
  • 関連病院紹介 川口市立医療センター 川口市立医療センター 院長 立花栄三(66回生)
  • さくら、咲かなむ 第7回 そして最初の春 内科学系・呼吸器内科学分野 教授 權 寧博(65回生)