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最新号 螢光板
677号/2017.10月号

中高生の読解力が低調であることが、国立情報学研究所の初調査で明らかになった。中学3年生の四人に一人(25%)が教科書レベルの基礎的な読解力を身につけないまま、義務教育を終えているらしい。この結果を「スマホのせい」にするのは、それこそ読解力の低下を露呈するものであり早計である。このような読解力調査は今回が初めてであるので、中高生の読解力が低下してきているのか、はたまた昭和時代の中高生もこの程度の読解力であったのかは判断できない。このなかにはある程度のディスレクシア(難読症、学習障害の一種)を抱えている生徒がいる可能性を考慮すべきである。また、日本語は英語に比べると文法が曖昧な点が多く、正確に内容が伝わりにくい言語なのかもしれない。

確かにわが日本大学医学部にも、文章で記載されている教科書を理解できない学生がいる。彼らは要点のみが箇条書きで列挙されたテキストを愛用している。

我々は、多くの文章に囲まれて日々の仕事をしている。検査・手術等の説明・同意書、診療情報提供書、論文など重要なことを正確に伝えることを目的とした文章を作成する機会も多い。特に患者向けの文書では、わかりやすさを第一とするのは当然であるが、それでも四人に一人くらいは正確に伝わっていない可能性があることを心に留めておく必要がある。加えて日本語を母語としない患者も増加傾向である。逆に、論文、ガイドライン等々、読まねばならないテキストも膨大であるが、たまにはこれらを置いて、秋の夜長、楽しい読書に耽りたいと思う。



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