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最新号 螢光板
675号/2017.7月号

身内が病院通いを始めると、普段、医師として通っている院内が違った風景として体験する。車いすを押して検査室のある階にいくのにエレベータがなかなか乗れない、待合の通路が狭く、自身が「高齢者」間近の身では車いすでの「搬送」にはとても気を使うなどなど。自分の職場環境がユーザーにとって使いやすくないのを実感するのは悲しい現実だった。医師としては、手術前の患者さんに検査を行う場合に、今までは電子カルテのお気に入り検査メニューをワンクリックして、院内地図を渡して看護師さんから説明を聞いて、「はい、検査に行って来てくださいね」と気軽に送りだしていた。今も大して変わりようがないが、なるべく移動の負担が少ない経路を指示し、心の中でちょっと大変でごめんねと念じて送り出すようになった。

実際、結構大変な思いをしてそれぞれの検査箇所に到達しているのだろう。それを知っているかのように、それぞれの部署の受付、看護師、あるいは検査技師の方々の暖かい一言に救われる思いがした。検査室の近くで見ているとすべての患者さんたちに同様な対応がなされており、自分の職場に、ある意味で安心と誇りを実感した。

医師の実力を最大限引き出すことが病院のパフォーマンスを上げる早道であるとされている。しかし、あくまでも医療のユーザーは患者であり、患者が無理なく治療に参画できるよう配慮された環境が求められている。板橋病院の新築にはぜひ医療者のパフォーマンス向上とともにユーザーの視点にも十分に配慮された次世代の施設となることが期待される。



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